第53話 鶴吉さんのご親戚!?
文字数 933文字
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2018年の年が明けた。
石号の存在を知ってから、ちょうど丸1年となる。あの時、無関心だった夫も、今では石州犬研究室メンバーとして、一緒にPR活動などを積極的にするようになった。
この年は、戌年だ。戌年をテーマに、私たちの取り組みが、新年早々、地元テレビの情報番組で紹介された。
山陰柴犬を飼ったことで、石州犬に興味を持ったこと。そこで、石州犬の石号が、現在の柴犬の祖であることを知ったこと。その柴犬が飼われていた当時の家がわかり、飼っていた人のお孫さんにも出会えたこと。
しかし、この犬を山出しした中村鶴吉さんについてはまだ謎で、わからないという内容だった。
番組では、私たちが歌う「おーい中村鶴吉さん」も紹介された。
すると、番組が放映された数日後、番組のディレクターから連絡をいただいた。
視聴者の方で「中村鶴吉は、私の祖父の弟ではないか」という方がおられるとのこと。
もしそれが、事実であったなら、その方は、中村鶴吉さんの「大甥(おおおい)」にあたることになる。
すごい!
その方は、島根県浜田市弥栄町の中村健次さんという方だった。
浜田市? 益田市ではないのだ。連絡先をお聞きし、お電話をかけ、さっそくお伺いした。
中村健次さんにお会いした瞬間、雰囲気が中村鶴吉さんに似ていると思った。うまく言えないが、ちょっとハイカラで、ヒョウヒョウとした感じ。この人は、中村鶴吉さんと血が繋がっている、と直感した。
案内された中村健次さんのお宅は建て替えているけれど、鶴吉さんが生まれた家であるとのことで、当時の写真を見せてくださった。
これが、中村鶴吉さんが生まれて、育った家とのことだ。
しかし、この「中村鶴吉さん」は、本当に私たちが捜している人と同一人物なのだろうか?
中村健次さんと奥様は、温かく迎えてくださり、私たちが伺うということで、いろいろ調べてくださっていた。
それは次のようなものであった。
次号に続きます。