第12話 久々の飲み会
文字数 1,063文字
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もともと私は、お酒が大好き。そして、人を我が家に呼ぶのも好きで、NPO時代は、10人、20人、多い時は30人以上の人を招いて、交流会や飲み会をする事もよくあった。
しかしNPOの解散、続くPONの死により、そういうことも無くなったが、久しぶりに、一緒に酒を酌み交わしたい若者たち3人に出会え、声をかけた。
ひとりは、前年の「ごまハチ単独ライブ」の取材をしてくれた、朝日新聞松江総局の石川達也記者。
もうひとりは、こちらも昨年、私たちの音楽活動を取材してくれた、某テレビ局のSディレクター。
そして3人目は、「ごまハチ単独ライブ」を手伝ってくれた島根県庁の若手職員、長崎博明さん、通称「センパイ」である。
みなさん20代。私たちからすれば、子供みたいな年齢の若者だ。
さて、その席で私はここ1ヵ月ほどかけて、ネット上で知り得た貴重な情報を披露した。
「日本犬って、世界的にも人気でしょ。国の天然記念物ってことは、知ってると思うけど、具体的な犬種とかわかる?」
「柴犬、秋田犬とか? あとは・・・」と夫ハチが答える。
「そう、秋田犬は、大型犬ね。あと中型犬は、北海道犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬の4種類。そして唯一の小型犬が『柴犬』で、頭数では、全体の9割くらいを占めていて、好きな犬ランキングではいつもトップクラス。つまり、質量ともに、日本犬の中心的な存在ともいえるの」
にわか勉強のおかげで、犬種名でもなんでもスラスラ出てくる。
「でね。その柴犬は今、世界中で60万頭近くいるらしいんだけれど、その父方を、とうちゃん、じいちゃん、ひいじいちゃん・・と、たどっていくと、なんと、なんと、な〜んと〜。全部、島根の石州犬の『石』という犬にたどり着くらしいの」
「60万頭、すべての柴犬がですか?」と、いぶかしげに朝日石川記者。
明らかに、信じられないご様子。
「そう! といっても、柴犬にもいろんな系統があるんだけれど、一般に『柴犬』と言えば、『信州系』のこと。ちなみにこのサニーは希少犬種の『山陰柴犬』だから、系統が違うのよね」
サニーの頭をお利口さんしながら、私は続けた。
「つまり『信州柴』の先祖が、長野ではなく、島根の『石州柴』ってこと! びっくりよね!」
と、皆さんの反応を伺いながら。
「しかも、しかも、しか〜〜も。この衝撃の事実を、日本人のほとんどが、いや、地元島根の人ですら知らないって、これまた超びっくり〜〜〜!!」
13話に続きます。