第14話 『エンペーカー』???
文字数 736文字
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「この『エンペーカー』って何だと思う? 何語? 英語? ノーノー。フランス語? ノンノン。 じゃ何語??・・。あなたたち、良い大学出てるんでしょ? わかる?」
・・・わからないようだ。
「でしょうね。私も調べまくりましたが、意味どころか、何語であるかすら、まったくわかりませ〜ん。『エンペーカー』・・不思議な語感、なんかカッコいいし。気になるわあぁ・・」
と、ここで急に小声で。
「実はね、これがその『石』なんだけど・・」と、ネット上で見つけた写真をパソコン上で、披露する。データが小さいので、ちょっと見にくいが。
興味を持ったような感じで覗き込む若者たち。
「堂々とした立派な犬ですね」と、某テレビ局 Sディレクター。
「そうなの、今の柴犬とは、違って野生的な感じでしょ。存在感あるわ〜〜」
「渋いですね。かっこいいです!!」と、センパイ。
「凛々しいなあ。猟犬って感じですね」と、朝日石川記者。
「そして、そして、この写真にも注目! ほら、右端に足とコートが見えるでしょう。これこそが、エンペーカー中村鶴吉ではないかと思うのよ。あー、この写真がもっと後ろにひいて撮られてれば、謎の男のルックスがわかるのにぃ・・」
と、ここで、突如、私は思いついた。
「そうだ『石州犬研究室』を作ろう! 『石』のことを調べよう! 『エンペーカー』の謎を探ろう!!」
そして「ここにいるみんなも、研究室メンバーよ! いいね」
ということで、酒の勢いで、ここにいた夫と私、そして3人の若者たちの5人で「石州犬研究室」は立ち上がったのだ。
第15話に続きます。