第57話 再度、東京へ
文字数 1,164文字
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そして、音楽ユニット「ごまハチ」としての活動もさらに活発になっていき、県内外でのライブなども行なった。
さらに「石州犬ISHI」という石号のPRソングも作ってみた。
この曲は、子供達に歌やダンスで楽しんでもらおうと、ヒーローアニメのイメージで制作したのだが、ここで私はまたヒラメいた!
「ごまハチ」では、私がオンチなのでハチがボーカルをとることが多いのだが、この歌は、何かシブめのアニメっぽい男性ボーカルに頼めないかと思ったのだ。
心当たりはある。昔、ミュージシャンを志していた中学からの友達モモがいた。
まったくの余談だが、この彼は大学生の時に、友人とバンドを組みプロを目指してせっせとコンテストに挑戦していた。
ある時、ヤマハのポピュラーコンテストの大分代表になったのだが、九州大会で、「チャゲ&飛鳥」に敗れた。その後「チャゲ&飛鳥」はプロデビュー。
その後も、大分代表まではいくのだが、アーティストの宝庫「福岡」という巨大な壁が、どうしても越えられない・・。
「このまま、大分にいてはダメだ!」と、一念発起して、大学を中退し上京。
しかし、東京での某コンテストでは、「米米CLUB」等々に敗れて・・・。
その後「米米CLUB」等々はプロデビュー。
数年後、力尽きた彼は、ミュージシャンを諦めた。
そして今では、某有名IT企業に勤務。よくいる「普通の歌うまオジサン」になっていた。
このモモにボーカルを頼もう。
そして、もう1人、私とモモと同じ大学の同級生でもあり、バンド仲間でもあった黒田くんは、今はアーティスト・マネージメント、舞台制作会社を経営している。いわゆる音楽業界の人になっているのだ。
(ちなみに、大学はモモが5年生で、私は6年生で中退。無事に卒業したのは、黒田くんだけである・・)
今でも飲み仲間の黒田くんに、東京での録音スタジオを紹介してもらおうと、相談したところ、「それなら『マニピュレーター』がいた方がいいよ」・・・とのこと。
「マニピュレーター」????始めて聞いた。
エンジニアというか、パソコンなどハイテクな機器を使った最近の音楽制作には、欠かせない役割なのだそうだ。
しかも、紹介していただいたのは、誰もが知る超有名アーティストともご一緒にお仕事をされておられるプロ中のプロの方で、私たちには、もったいなさすぎる方であった。
おかげさまで、信じられないような最高の環境で東京でのボーカル録音ができることとなったのだ。
そんな、上京直前の6月末、信じられないことがまた起こった。
次号に続きます。