第15話 助成金はあえて封印
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さて、翌日から本格的に調査活動を始めた。正直、夫も3人の若者も、あまり興味はないだろう。それでいいのだ。
私が真実を知りたいだけなのだ。
別に「研究会」を作ったわけではない。会だと「規約」や「会員」が必要だが、あくまでも「石州犬研究『室』」は、組織ではなく「場」。シンプルにいこう。
そして、お得意の助成金ゲットは、あえて封印した。
理由は、ゲットするための手間や時間、ゲット後に生じる事務作業、その助成金の規定や条件に準じたり、調整したり、おもねったり等々にエネルギーを費やしたくないからだ。
もちろん、大切な税金や基金などが原資なのだから、厳しいルールがあるのは当然だ。
しかし、今の私は、いかなるものにも制限されたくはないのだ。
とにかく、身軽に、無駄なく、合理的に、スピーディーに、やりたいことだけやるのだ。
私は、もう何者にも縛られずに自由に生きていくのだ!
ま、「今までも、十分に自由でしたよ」と夫の声が聞こえてきそうだが。
さて、まずは文献調査から。
文献といえばすぐに思いつくのは「国立国会図書館」だ。若い頃は、駆け出しのプランナーとして、調べ物があると、よく通ったものだ。
今は、島根にいるのでちょくちょくは行けないが、ありがたいことに「遠隔コピー」というサービスがある。
ネットで検索すれば、捜している書籍が、全国のどの図書館にあるか、な〜んてこともわかる。そこから「相互貸借システム」を使えば、近くの図書館まで送ってもらえる。便利な世の中になったもんだわ。
私は、石見の山の中の過疎地に住んでいるが、おかげさまで、歩いて数分の図書館で、気になる本を何冊も借りることができた。ただ中には、持ち出し禁止や複写不可などもあるので、その場合は出向いていくしかないが。
もちろん、買える本は、買いまくり、そして片っ端から読みまくった。
もう、な〜んて、楽しいんだろう〜〜。
な〜にが飛び出すんだろう〜〜?
ワクワ〜ク♪
第16話に続きます。