第73話 石号の長所?
文字数 779文字
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また
●里田原三さん(日本犬保存会理事)は
「石州犬の良さは、戦前、数多く石州系の優秀犬を毎回のように出陳して、柴犬界を風靡された『エンペーカー』中村鶴吉氏のあることは、古い愛犬家の記憶に新しいところで、当時の名犬『栃号』『石号』等を想起されることだろう。
石州系のあの広い頭蓋、切り削いだような耳、太く逞しい顎、頑丈な四肢とともに、黒味がちな濃茶の被毛は、今なお記憶に残るものがある。」
(昭和36年「山陰系小型犬の性能と特徴 日本犬中小型読本より」)
とのことで、「太く逞しい」や「頑丈な四肢」とはありますが、「ずんぐりと太く」「野生動物風の鋭敏さが少し不足」なイメージとはかなり異なります。
確かに石の写真は、がっしりとはしていますが、先生は、どちらのイメージに近いと思われますか?
●石川雅宥さん(日本犬保存会理事)は
「(老齢化した石を見て)その頃もう老齢にて歩行すら困難であったが、小さな厚い前傾度ある耳、広い額、よく張った頬、よく締まった太みある口吻、色素良き目、イガ栗のトゲを思わす角度ある良き被毛、後肢は逆飛節になっていたが(これは老齢のためと思う)なんともいえぬ渋さと風格を持っていました。」
(昭和36年「戦前の犬の思い出 日本犬保存会会報」より)
「目が丸い、大きい」という短所ではなく、「色素良き目」と言っておられます。
金指先生は、日本犬は「目」が重要とおっしゃっておられますが、目の形と色とでは、どちらが大切でしょうか? あるいはそれを比べることそのものが意味がないのでしょうか?
また、石の目については、どう思われますか?
(中略)
最後にお伺いします。
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次号に続きます。