第54話 中村健次さんのお話
文字数 705文字
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●中村鶴吉さんは、健次さんの祖父、貞一さん(猟師)の弟で、健次さんには大叔父にあたる方。
●生年月日は明治28年2月2日。
●大正5年8月に実家を出ている(鶴吉さん21歳)。
●東京では歯科医院を経営していた。
●その住所は、東京都江戸川区西小岩一丁目(医院を継いだ娘さんとは、年賀状のやりとりがあったが、今では音信不通)
ただし、日本犬に関する話は聞いたことがない。
つまり、私たちが捜している中村鶴吉さんとの共通点は「島根県石見地方出身、東京で歯科医をされていた」ということだけである。
中村鶴吉さんの生年月日についてはどの文献でも見たことがなく、私たちが知る由もないが、唯一見たことのある写真が、昭和11年のもの。推測するに30代後半から40歳くらいではないかと思われていたので、この生年月日なら、当時41歳なので、ぴったりだ。
100%の確証はないけれど、「中村鶴吉」という同姓同名・同職業・同郷・同年代の人が複数いるとは思えない。
ただ気になるのは「こちらの中村鶴吉さん」が住んでいた東京の住所が、私の知っている住所(戦前のもの)とは異なることだ。
もちろん、戦前と戦後の違いは大きいから、それはあまり問題ではないかもしれない。まずは私たちが捜している「中村鶴吉」さんにほぼ間違いないとも思われた。
そして、その翌日、驚くべきことが起きた。石州犬研究室ホームページの「お問い合わせ」に、信じられないようなメッセージが届いたのだ。
次号に続きます。