第84話 新たなる決意!
文字数 597文字
そう思わなければ、こんな貴重な写真をいただくことはできなかった。
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もちろん、古い文献を見れば、坂口仁さんや赤石荘のこと、そこにいた名犬たちの写真などは、断片的に残されている。
しかし、そういうものを探しだす人は、限られている。少なくとも、一般の人はもちろん、柴犬を飼っている人でも、そこまでする人は、ほとんどいないだろう。
日本犬の専門家でも、最近の人はこういうことに関心がなくなっているかもしれない。
だからこそ、金指さんが「あなたからもらった手紙を読んで、後ろから頭を叩かれたような衝撃を受けましたよ。本当に素朴に、ルーツのルーツ、原点の原点を追及されていて、この原点をまだまだ私も、皆さんにお話していかなければならないと思いました」と言ってくださったのだ。
私がここ数年かけて知り得たこと、「天然記念物『柴犬』と、それを守った人々との感動的なドラマ」の数々は、わかりやすくまとめて、できるだけ多くの人にお伝えし、そして後世にも残していかなければならない。
今、取材して、きちんと記録していかないと埋もれてしまう。消えてしまう。
誰もが読みやすいような読み物にして、また映像としても残さなければいけないと心から思った。
新たな決意を胸にして、私たちは甲府を後に、長野県の諏訪へと向かった。
次号に続きます。