第34話 探偵ごっこ??・・
文字数 932文字
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この追悼文には、遠田さんが益田市の「吉田幼稚園」を経営されていたとも書かれていた。それを手がかりに、遠田さんの子孫の方のお話を伺うことはできないだろうか。
こういう時は、ついつい松本さんに頼ってしまう。何しろ、益田市民でもない怪しいおばさんの私が、いきなり「あの、戦前の犬についてですが・・」など意味不明なことを言い出すと、誰だって不審に思うに違いない。
しかし、益田市役所の方だと、話がスムーズに進む。特に松本さんは、優しいお人柄で、地域振興にも熱心でいらっしゃる。
松本さんにご相談すると、「わかりました。吉田幼稚園さんに問い合わせてみましょう」と、快く引き受けてくださった。
本当にありがたい。柳尾さんにしても、松本さんにしても、良いご縁に感謝、感謝。
一方、中村鶴吉さんが三隅町で歯科医をされていたという話も気になり、すぐに行ってみた。
【JR三保三隅町駅(島根県浜田市)】
駅前ということだが、今でも子孫の方が歯科医をしているとか、あるいはお住まいかもしれない。と、「中村」さんという表札や看板を探して歩き回った。
しかし、何も得ることができなかった。
【JR三保三隅町駅前周辺】
素人が、探偵ごっこのようなことをしても、怪しすぎる。職務質問でもされるのがオチだ。
とはいえ、諦めきれなかったところ、夫が知り合いの浜田市役所の方に相談してくれた。すると、その方が「浜田市三隅町にとても詳しい人がいるから」と、同じく浜田市役所の大田等さんという方を紹介してくださった。
もちろんお会いしたこともないが、地元で聞き取りしてくださるということとなった。本当にありがたい。
私の好奇心で始まった調査だが、いろんな方々に助けられご協力いただくこととなってきた。それにしても、松本さん、柳尾さん、大田さんと、次々に道を開いてくださる方にお会いできるのが不思議なくらいだ。
何か見えない力に導かれているような気がしてならない。
その頃、私たちは中村鶴吉さんの功績を称え、本格的に捜索するために「お〜い中村鶴吉さん」なる歌をYouTubeにアップしていた。
次号に続きます。