第9話 えーーーっ!!!
文字数 716文字
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サニーのかわいさとワンパクぶりは、ハンパなく夫婦そろってサニー、サニーと朝から晩までお祭り騒ぎ。盆と正月が一緒にきたような賑わいだ。
情けないことに、ポンのことは少しずつ、そして確実に、忘れそうになっている。
さて、その正月休み、夫は新たな楽曲を、私は山陰柴犬を紹介するホームページを制作中の時のこと。
山陰柴犬は、鳥取県の故・尾崎益三氏が「鳥取の因幡犬」と「島根の石州犬」を交配させて生み出した犬種だ。その後、因幡犬と石州犬は、絶滅している。
私は、その「石州犬」というのが、このところとても気になっていた。「石州」といえば、私が住んでいる島根県西部の石見地方のこと。
「山陰」というエリアより、もっと狭く、そして身近な地域である。
「石州犬」とは、一体どんな犬だったのだろうかと、気ままにネットで検索をしていたところ、とても不思議な系図のようなものを見つけた。
それは、「優れた柴犬の父系の血統図」なるもので、その始まりとなる一番上に「石(島根山下)」と書かれてあった。
一般に、柴犬というと「信州柴」のことだが、これは信州柴の系統図なのか?
もしそうだとしたら、信州柴の始まりが、「長野の犬」ではなく「島根の犬」ということ?
意味がわからない。
丁寧にそのホームページを見ていくと「石州産の『石』という犬は、現在の柴犬の祖犬にあたる」というようなことが書かれていた。
「えーーっ!!!」
思わず私は、大きな声を上げた。
とてもではないが、信じられない話だ。
そんなバカな、ありえない。
でも、もし本当だったら……。
第10話に続きます