第94話 石像はどこに設置すべきか!?
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私は、すぐに「横浜の『神取優弘さん』という石職人の方なら、『立ち姿の石号の石像』を制作していただけるかもしれません」と、小原公民館長へご連絡をした。
しかし「4本足で立つ石像」は、かなり難しいらしい。立てば良いというだけでなく、その像が、数十年、数百年、立ち続けていくことを計算しなければならないだろう。
神取さんは、さまざまな制作手法を検討された上で、「私でよろしければ、お引き受けしましょう」というお返事をくださった。
また、二川地域の皆さんも、「ぜひ、神取優弘さんにお願いしたい」となり、その後、この話は実にトントン拍子で進んでいった。
そして翌4月には、現地調査のためにと、神取さんが、益田市美都町二川まで来てくださった。
石州犬の産地である当地の自然や空気や風土に触れることも、良い石像を造る上では、大切なことと、当地を回られた。
また、地元の猟師の木原さんや、日本犬保存会の柳尾さんにヒアリングをされて、石州犬がどんな犬であったかを一生懸命調べておられた。
柳尾さん方では、石州犬に先祖返りしたような柴犬のコウイチ君を熱心に見ていらっしゃった。
神取さんが、来られたことは、新聞3紙で大きく紹介され、地元でも話題になった。
ところで、ちょうどその頃、二川では、その石像を「どこに設置するか」で、地元の皆さんが、カンカンガクガクのまっ最中!
候補地は、4カ所あり、神取さんや私もその4カ所を回ってみた。その後、皆で話し合い候補地は、2カ所に絞り込まれた。
それは、「石号が暮らしていた下山さんの家」と、「地元観光地の美都温泉」だった。
んーーどちらも選び難い。
しかしどちらかを、選ばなければならないのなら・・私は「石号が暮らしていた下山さんの家」がいいと思う。
石号をなんとか「下山さんの家」に帰してあげたい・・。だから「下山さんの家」をおすすめした。
だが、作るのも、決めるのも、二川の皆さん。予算は限られている。
カンカンガクガクはまだまだ続き、結論はなかなか出ないようだった。
次号に続きます。