第22話 アフリカ人超えの視力持ってる(定期
文字数 1,957文字
「ウチ~、友達が~、レイプされて~、泣き寝入りしたから~……お巡りになったんや!」
突然スイッチが切り替わるレナの相手は、さすがの北条も疲れる。
なので、レナの胸部に目をやる。
二基のスペースシャトルが、月面目指してスタンバイOK!
股間もNASAになりかけ、慌てて視線を切る。
切った視線の先で、見つけた。
(ん? 何だあれ?)
北条の夜目はアフリカ人を超える。
道路向こうに、何か発見した。
「聞いたんやけどな。防犯カメラとNシステムも全滅なんやって。ほな、結論は二つや。一つ目はな、ナンバープレートを交換して、車体の色をスプレーで変えよった。……もう一つ……もう一つはな、まだキンパイ内に潜んどる!」
幽霊から元気溌剌に変身。
なぜかピースしながら、得意気に自説を披露する。
七変化レナ。
「可愛い過ぎる!」
思わず言葉に出る。
しかし、捜査が待っている。
されど、たぎる性欲の処理は必須。
また股間を殴りつけると、一生不自由になる可能性、大。
無難な落し所を見つけた。
内股で、ごまかす。
北条は道路向こうの、ある一点に焦点をしぼる。
シャッターが下りた自衛隊の地方連絡所。
シャッターとせり出した上壁との間に、何か備えつけられている。
中指ほどの長さ。
指二本ほどの幅。
縦は小指半分ほど。
色は黒。
闇夜で、それを発見できる北条。
彼は哺乳類か?
それは人類七不思議の一つ。
(もしかして? もしかする?)
期待と、それが当たっていた場合に発覚する事実への躊躇い。
二つの矛盾を抱えたまま、道路を渡る。
車が何台か走行していた。
だが、漆黒の闇を闊歩 するヤンチャ過ぎる格好の人間にクラクションを鳴らす戦 好きはいない。
地方連絡所のシャッター前で立ち止まり、見上げた。
間違いない。
CCDカメラだ。
「なんや、あんた自衛隊に入隊するんか? 向いとるけど、年がアウトやで」
いつの間にか、背後にレナがいた。
ノルマはいいのか?
レナを見ると、性欲面に落ちる。
ゆえに北条は、レナを無視。
道路に目をやる。
実にタイミングよく、タクシーが走ってきた。
いきなり北条が、道路に飛び出す。
両手を広げ『止まれ!』と叫ぶ。
運転手が急ブレーキを踏む。
呆然としていたレナが、ようやく我に返る。
「ちょ、ちょっと待たんかい! アンタ! 何しとんねん!」
レナは相変わらず無視。
北条が帳面を運転手に見せながら近づく。
無言の圧倒的な圧力。
細胞レベルで恐怖を感じた運転手が、パワーウィンドウを開く。
「な、何だよ、あんた」
運転手が、人生最高の勇気を振り絞る。
「これ見せてんだ。分かんだろ」
北条は運転手の鼻先に帳面をつきつける。
「け、警察だからって……。大体、タクシー強盗もまだ捕まえてくれてないのに……」
「それだ、それ!」
運転手は、北条の言動が何一つ理解できない。
「お前等タクシーの運ちゃん組合、ちっとも強盗捕まんねえから、自分達でケリつけるつもりだろ!?」
「あ、あんた、何を……」
「ここはお巡りの不祥事ばりに、タクシー強盗が多い場所だ。そこを監視するカメラが、自衛隊の建造物にくっついてやがる。どう考えても、お前等しかいねえんだよ」
タクシー運転手が観念したように、グッタリと首を折る。
実に分かりやすい肯定。
タクシーやトラックの運転手、自動車教習所の教官など『乗り物』系にデューダする自衛管は多い。
地方連絡所にCCDを設置するなどという芸当は、どれだけ勢いのある組合でも不可能。
ただし、コネがあれば可能。
よって結論は、北条の知能指数でも導き出せる。
「轢き逃げを撮影しとったカメラがあったんや! その映像が保存されとれば、一気にイケるかもしれへん!」
レナ再び。
いつの間にか現れ、興奮している。
自分も興奮したいが、性欲面に堕ちれば、二度と人間に戻れない。
ドヤ顔のレナを見ながら、北条はレナの人事考課を再考する。
(このロケットオッパイ、その辺のデカよりよっぽどデキるんじゃねえか?)
「運転手さん、CCDの映像は記録されとる? あの機種、画像を記録媒体に飛ばして保存するやつやね? ハードがある場所へ案内してえや」
レナの言動、七変化。
戦意喪失の運転手は、黙って後部座席のドアを自動で開ける。
北条が乗り込む。
当たり前のように、レナも乗る。
アイノリが密かに嬉しい北条。
静かに、発進するタクシー。
突然スイッチが切り替わるレナの相手は、さすがの北条も疲れる。
なので、レナの胸部に目をやる。
二基のスペースシャトルが、月面目指してスタンバイOK!
股間もNASAになりかけ、慌てて視線を切る。
切った視線の先で、見つけた。
(ん? 何だあれ?)
北条の夜目はアフリカ人を超える。
道路向こうに、何か発見した。
「聞いたんやけどな。防犯カメラとNシステムも全滅なんやって。ほな、結論は二つや。一つ目はな、ナンバープレートを交換して、車体の色をスプレーで変えよった。……もう一つ……もう一つはな、まだキンパイ内に潜んどる!」
幽霊から元気溌剌に変身。
なぜかピースしながら、得意気に自説を披露する。
七変化レナ。
「可愛い過ぎる!」
思わず言葉に出る。
しかし、捜査が待っている。
されど、たぎる性欲の処理は必須。
また股間を殴りつけると、一生不自由になる可能性、大。
無難な落し所を見つけた。
内股で、ごまかす。
北条は道路向こうの、ある一点に焦点をしぼる。
シャッターが下りた自衛隊の地方連絡所。
シャッターとせり出した上壁との間に、何か備えつけられている。
中指ほどの長さ。
指二本ほどの幅。
縦は小指半分ほど。
色は黒。
闇夜で、それを発見できる北条。
彼は哺乳類か?
それは人類七不思議の一つ。
(もしかして? もしかする?)
期待と、それが当たっていた場合に発覚する事実への躊躇い。
二つの矛盾を抱えたまま、道路を渡る。
車が何台か走行していた。
だが、漆黒の闇を
地方連絡所のシャッター前で立ち止まり、見上げた。
間違いない。
CCDカメラだ。
「なんや、あんた自衛隊に入隊するんか? 向いとるけど、年がアウトやで」
いつの間にか、背後にレナがいた。
ノルマはいいのか?
レナを見ると、性欲面に落ちる。
ゆえに北条は、レナを無視。
道路に目をやる。
実にタイミングよく、タクシーが走ってきた。
いきなり北条が、道路に飛び出す。
両手を広げ『止まれ!』と叫ぶ。
運転手が急ブレーキを踏む。
呆然としていたレナが、ようやく我に返る。
「ちょ、ちょっと待たんかい! アンタ! 何しとんねん!」
レナは相変わらず無視。
北条が帳面を運転手に見せながら近づく。
無言の圧倒的な圧力。
細胞レベルで恐怖を感じた運転手が、パワーウィンドウを開く。
「な、何だよ、あんた」
運転手が、人生最高の勇気を振り絞る。
「これ見せてんだ。分かんだろ」
北条は運転手の鼻先に帳面をつきつける。
「け、警察だからって……。大体、タクシー強盗もまだ捕まえてくれてないのに……」
「それだ、それ!」
運転手は、北条の言動が何一つ理解できない。
「お前等タクシーの運ちゃん組合、ちっとも強盗捕まんねえから、自分達でケリつけるつもりだろ!?」
「あ、あんた、何を……」
「ここはお巡りの不祥事ばりに、タクシー強盗が多い場所だ。そこを監視するカメラが、自衛隊の建造物にくっついてやがる。どう考えても、お前等しかいねえんだよ」
タクシー運転手が観念したように、グッタリと首を折る。
実に分かりやすい肯定。
タクシーやトラックの運転手、自動車教習所の教官など『乗り物』系にデューダする自衛管は多い。
地方連絡所にCCDを設置するなどという芸当は、どれだけ勢いのある組合でも不可能。
ただし、コネがあれば可能。
よって結論は、北条の知能指数でも導き出せる。
「轢き逃げを撮影しとったカメラがあったんや! その映像が保存されとれば、一気にイケるかもしれへん!」
レナ再び。
いつの間にか現れ、興奮している。
自分も興奮したいが、性欲面に堕ちれば、二度と人間に戻れない。
ドヤ顔のレナを見ながら、北条はレナの人事考課を再考する。
(このロケットオッパイ、その辺のデカよりよっぽどデキるんじゃねえか?)
「運転手さん、CCDの映像は記録されとる? あの機種、画像を記録媒体に飛ばして保存するやつやね? ハードがある場所へ案内してえや」
レナの言動、七変化。
戦意喪失の運転手は、黙って後部座席のドアを自動で開ける。
北条が乗り込む。
当たり前のように、レナも乗る。
アイノリが密かに嬉しい北条。
静かに、発進するタクシー。