第52話 美人ママの前で、婦警がチンコに掌底を叩き込んだの
文字数 1,386文字
管野の退室を気にせず、上杉が美和からの情報収集を始める。
「目撃された、さつきちゃんを連れ去った男ですが。髪型は短く刈り込んだ角刈りで、ガッシリとした体つきです。何か、心当たりはありませんか?」
「髪を短く刈り込んで、ガッシリした体つき……」
美和が呟く。
と、美和・上杉・レナ、その場にいた全員の視線が北条に突き刺さる。
(ん? え? 俺?)
「上杉警部補。冗談は、顔とデカイ態度と上から目線と偉そうな口のきき方だけにしてください。俺……私の髪型は、角刈りではなく、ソフトモヒカン。肉体はガッシリじゃなくて……シャープって言うんだ、オラーッ!」
美和の手前、初めはブリッ子していた北条だったが、慣れないことはするものではない。
話しているうちに、いつものテンションに戻った北条は、上杉を襲おうとソファに立ち上がる。
両者の間にいたレナが、座りながらも腰の入った掌底を、北条の股間に打ち込む。
一瞬後、下半身の激しい激痛で、北条が痙攣しながら崩れ落ちる。
「か、川村巡査長、何の真似だ!」
「やかましい! このボケが、アホな真似しよったからじゃ!」
真っ青の上杉に、興奮したレナが怒鳴る。
美和の目が点になる。
「何や、やかましい」
管野が、リビングに戻ってきた。
鞄を丁寧に、一人掛け用のソファに置く。
衝撃でうずくまったままの北条が、何とか顔だけ上げる。
長い間、我慢していた老廃物を排泄した爽快感。
それに伴う、肛門の激痛。
相反する二つの感情で、管野の顔が歪にゆがんでいる。
さらに、内股でチョコチョコと歩いている。
――爆笑は、腹部・股間に響く。
北条は爆笑と激痛に悶絶する。
前線に大きく響く、壊滅の足音。
「外部から入電!」
堀が叫ぶ。
堀と深田が陣取るテーブル上の臨電(臨時電話)が鳴っている。
臨電には、音声記録や逆探知などの機器と繋がるケーブルが無数に伸びている。
臨電は、非通知でかけられた場合にのみ鳴る。
時間的にも、もうマル被から連絡があってもおかしくない。
菅野は困惑顔で、内股でウロウロ。
美和も固まっている。
北条と上杉が臨電に飛びつく。
二人の動きは素早かったが、それすら亀の歩みでしかなかった、レナの前では。
北条と上杉がテーブルに着いた時には、すでにレナが落ち着いてソファに座り、電話を取っていた。
しかも、空いた片手に、ストップウォッチを持っている。
二人の技官の目が、点になっている。
「はい、管野でございます」
その場にいる男達全員と、何より美和が目を丸くする。
レナの声音と話し方が、美和のそれと酷似していたから。
目を閉じて聞けば、美和が話していると錯覚する。
この短時間で美和を観察し、『なりすまし』のために、自分の中で消化している。
対誘拐事件のため、まず桜田門は婦人警官限定の『指定捜査員制度』を設けた。 年に二度、二日間に渡る訓練は『しごき』の一言に尽きる。
まず、マル害役の訓練を行う。
初めてで上手くこなせる人間はいない。
それでも、容赦なく怒声が襲いかかってくる。
泣き出す婦人警官までいるほどだ。
各県警も同様の訓練を行っている。
その成果を、レナが思う存分活かしている。
「目撃された、さつきちゃんを連れ去った男ですが。髪型は短く刈り込んだ角刈りで、ガッシリとした体つきです。何か、心当たりはありませんか?」
「髪を短く刈り込んで、ガッシリした体つき……」
美和が呟く。
と、美和・上杉・レナ、その場にいた全員の視線が北条に突き刺さる。
(ん? え? 俺?)
「上杉警部補。冗談は、顔とデカイ態度と上から目線と偉そうな口のきき方だけにしてください。俺……私の髪型は、角刈りではなく、ソフトモヒカン。肉体はガッシリじゃなくて……シャープって言うんだ、オラーッ!」
美和の手前、初めはブリッ子していた北条だったが、慣れないことはするものではない。
話しているうちに、いつものテンションに戻った北条は、上杉を襲おうとソファに立ち上がる。
両者の間にいたレナが、座りながらも腰の入った掌底を、北条の股間に打ち込む。
一瞬後、下半身の激しい激痛で、北条が痙攣しながら崩れ落ちる。
「か、川村巡査長、何の真似だ!」
「やかましい! このボケが、アホな真似しよったからじゃ!」
真っ青の上杉に、興奮したレナが怒鳴る。
美和の目が点になる。
「何や、やかましい」
管野が、リビングに戻ってきた。
鞄を丁寧に、一人掛け用のソファに置く。
衝撃でうずくまったままの北条が、何とか顔だけ上げる。
長い間、我慢していた老廃物を排泄した爽快感。
それに伴う、肛門の激痛。
相反する二つの感情で、管野の顔が歪にゆがんでいる。
さらに、内股でチョコチョコと歩いている。
――爆笑は、腹部・股間に響く。
北条は爆笑と激痛に悶絶する。
前線に大きく響く、壊滅の足音。
「外部から入電!」
堀が叫ぶ。
堀と深田が陣取るテーブル上の臨電(臨時電話)が鳴っている。
臨電には、音声記録や逆探知などの機器と繋がるケーブルが無数に伸びている。
臨電は、非通知でかけられた場合にのみ鳴る。
時間的にも、もうマル被から連絡があってもおかしくない。
菅野は困惑顔で、内股でウロウロ。
美和も固まっている。
北条と上杉が臨電に飛びつく。
二人の動きは素早かったが、それすら亀の歩みでしかなかった、レナの前では。
北条と上杉がテーブルに着いた時には、すでにレナが落ち着いてソファに座り、電話を取っていた。
しかも、空いた片手に、ストップウォッチを持っている。
二人の技官の目が、点になっている。
「はい、管野でございます」
その場にいる男達全員と、何より美和が目を丸くする。
レナの声音と話し方が、美和のそれと酷似していたから。
目を閉じて聞けば、美和が話していると錯覚する。
この短時間で美和を観察し、『なりすまし』のために、自分の中で消化している。
対誘拐事件のため、まず桜田門は婦人警官限定の『指定捜査員制度』を設けた。 年に二度、二日間に渡る訓練は『しごき』の一言に尽きる。
まず、マル害役の訓練を行う。
初めてで上手くこなせる人間はいない。
それでも、容赦なく怒声が襲いかかってくる。
泣き出す婦人警官までいるほどだ。
各県警も同様の訓練を行っている。
その成果を、レナが思う存分活かしている。