ジャンブー島その11 〈アノクダツ池(後篇)〉

文字数 747文字

〈アノクダツ池〉の周りには美しい花園が広がり、沐浴のための泉も湧いている。
花々はうず高く積み上げられている。
また、様々な木々が花や実をつけて茂る。
風に乗って甘やかな香りが広がる。
様々な鳥たちのやさしい歌声が響き渡って調和をなしている。

〈アノクダツ池〉の底は、金の砂で敷き詰められている。
池の四方には、それぞれ沐浴のための階段がある。
この階段も七宝で出来ていて、
金の一段は銀に輝き、
銀の段は金に、
瑠璃の段は水晶の光に、
水晶の段は瑠璃の光にそれぞれ輝いている…といった具合である。

池の周囲には玉垣があり、
池の中には〈車輪ほどの大きさの赤・青・白・黄色の蓮華〉が咲いている。
それらの蓮根の汁は乳白色で蜜のように甘いのだ。


〈アノクダツ池の東側〉には〈牛の口〉があり、
その〈口〉から流れ出した水は〈ガンガー(ガンジス)河〉となる。
〈ガンガー河〉はやがて500の河に分かれてゆき、〈東の海〉へと流れ込む。

〈アノクダツ池の南側〉には〈獅子の口〉があり、
その〈口〉から流れ出した水は〈シンドゥー(インダス)河〉となる。
〈シンドゥー河〉はやがて500の河に分かれてゆき、〈南の海〉へと流れ込む。

〈アノクダツ池の西側〉には〈馬の口〉があり、
その〈口〉から流れ出した水は〈バーシャ(ヴァクシュ)河〉となる。
〈バーシャ河〉はやがて500の河に分かれてゆき、〈西の海〉へと流れ込む。

〈アノクダツ池の北側〉には〈象の口〉があり、
その〈口〉から流れ出した水は〈シダ(シータ)河〉となる。
〈シダ河〉はやがて500の河に分かれてゆき、〈北の海〉へと流れ込む。


〈アノクダツ池〉の中央には〈五柱堂〉という名の宮殿があり、そこに〈アノクダツ龍王〉が住んでいる。」
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