お彼岸について  ~監修者より

文字数 815文字

うっかり、彼岸の中日も過ぎてしまいましたが、(※最初にこの記事を公開した時が2011年3月の春彼岸中でした)
せっかく今紹介している経典が『観無量寿経』ですので、
ひとこと申し上げます。

今年の彼岸の中日は21日でしたが、これは春分の日です。
秋の彼岸の中日は秋分の日ですが、共に言えることは
「昼と夜の長さが同じになる日」
ということ。また、この二日間だけが一年のうちで
「太陽が真西に沈む日」
なのです。
つまり、「彼岸」という期間は、“太陽が特別な状態の期間である”ということは間違いがないのです。
仏教行事の多くはインドや中国、その他の外国にルーツのあるものも多いのですが、
この「彼岸」は、実は日本にしかない行事なのです。(しかし、奈良時代から始まっています。)
そしてですね。
中日に何が行われたかと言いますと、まさにこの『観無量寿経』のなかの
〈日想観〉
なんですよ!

考えてみれば、一番ふさわしい日なんですね。
なんてったって、
極楽は西にある。
極楽を見たければ、夕日を拝むことから始めよ、と言われる。
夕日は季節によって、南寄りだったり、北寄りに沈む。
ということは…
いちばん真西に沈む、この彼岸の中日に〈日想観〉をおこなうのがベスト!
といったわけです。

わたしは、「極楽がいちばん私たちの世界に近づくのが、このお彼岸です。」と説明しています。

折角なので、〈日想観〉を読み直してみて下さい。そして、夕日の見えるところで、近いうちに〈日想観〉にチャレンジしてみて下さい!


参考までに、ひとつリンクを貼っておきます。
(※wikiで「俊徳丸」の記事リンクを貼っていました。)
〈日想観〉で有名なのは大阪の四天王寺。昔はこのお寺のすぐ西が海だったそうで、
海に沈む夕日を拝める四天王寺の西の門が、「極楽の東門」と信仰されました。
そこを舞台とした能「弱法師(よろぼし)」に関するwikiの記事です。
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