ジャンブー島その4 〈色界(後篇)〉

文字数 1,192文字

〈遍浄天〉から倍の上空には〈広果天・こうかてん〉がある。

この天は、“一中千世界が千個集まった大きさ”がある。
(一大千世界・いちだいせんせかい、三千大千世界・さんぜんだいせんせかいともいう)

〈遍浄天〉での喜びも止めることによって、苦楽を超えた〈寂静・じゃくじょう〉が現れる。

この天が、
人間の生まれ変わることの出来る最高の天である。

この天もまた、三層に分かれる。
〈少果天・しょうかてん(無雲天・むうんてん)〉
〈無量果天・むりょうかてん(福生天・ふくしょうてん)〉
そして〈広果天〉である。

〈少果天〉の神々の身長は125ヨージャナ(約875km)、寿命は125カルパ(約5400億年)。
〈無量果天〉の神々の身長は250ヨージャナ(約1750km)、寿命は250カルパ(約1兆800億年)。
〈広果天〉の神々の身長は500ヨージャナ(約3500km)、寿命は500カルパ(約2兆1600億年)である。
この〈広果天〉を、〈四禅天・しぜんてん〉という。


〈四禅天〉は、さらに上空に続く。
〈広果天〉から倍の上空には
〈無想天・むそうてん(無想有情天・むそううじょうてん)〉がある。

ここからは凡夫の生まれ得ない境地である。
〈無想天〉の神々の身長もまた500ヨージャナ(約3500km)、寿命も500カルパ(約2兆1600億年)である。


〈無想天〉からさらに倍の上空には〈無煩天・むぼんてん〉。
〈無煩天〉からさらに倍の上空には〈無熱天・むねつてん〉。
〈無熱天〉からさらに倍の上空には〈善現天・ぜんげんてん〉。
〈善現天〉からさらに倍の上空には〈善見天・ぜんけんてん〉。
〈善見天〉からさらに倍の上空には〈色究竟天・しきくきょうてん〉が現れる。

〈無想天〉から〈色究竟天〉の五つは、まとめて〈五浄居天・ごじょうごてん〉とも呼ばれる。

〈無煩天〉の神々の身長は1000ヨージャナ(約7000km)、寿命は1000カルパ(約4兆3200億年)。
〈無熱天〉の神々の身長は2000ヨージャナ(約14000km)、寿命は2000カルパ(約8兆6400億年)。
〈善現天〉の神々の身長は4000ヨージャナ(約28000km)、寿命は4000カルパ(約17兆2800億年)。
〈善見天〉の神々の身長は8000ヨージャナ(約56000km)、寿命は8000カルパ(約34兆5600億年)。
〈色究竟天〉の神々の身長は16000ヨージャナ(約112000km)、寿命は16000カルパ(約69兆1200億年)である。


〈梵天〉から〈色究竟天〉までを
“欲望を離れた天界=姿形のみある神々の世界”で
〈色界・しきかい〉と呼ぶ。

〈色究竟天〉より上空には天界はない。
ゆえに“色界を究(きわ)め竟(おわ)る天”と呼ぶ。
またの名を〈有頂天・うちょうてん〉と呼ぶ。
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