ジャンブー島その3 〈色界(前篇)〉

文字数 1,354文字

これら〈欲界・よっかい〉を過ぎてさらに上方にも数々の天がある。


〈他化自在天・たけじざいてん〉から倍の上空には〈梵天・ぼんてん〉がある。
この神々は清浄なる光輝あり、欲望を離れ、〈梵天以下の欲界(一世界)〉の“創造主”である。

〈自在なる大梵天・だいぼんてん〉と、
大梵天を補佐する〈空虚なる梵輔天・ぼんほてん〉、
そして善業を積んだバラモン僧たちが生まれ変わることの出来る〈梵衆天・ぼんしゅてん〉よりなる。

〈大梵天〉は
〈智慧・言辞の女神―弁才天・べんざいてん〉を妃とし、
4羽のハンサ鳥(白鳥)の上に座して瞑想する。

(3羽の金翅鳥・こんじちょうと4羽のハンサ鳥、500羽の鷲と共に瞑想する、という説もある)

この天は、〈歓び楽しみの心〉をみずからわきまえて生み出すことが出来る。

〈梵衆天〉の神々の身長は0.5ヨージャナ(約3.5km)、寿命は0.5カルパ(1カルパを約43億2000万年として、21億6000万年)。
〈梵輔天〉の神々の身長は1ヨージャナ(約7km)、寿命は1カルパ(約43億2000万年)。
〈大梵天〉の神々の身長は1.5ヨージャナ(約10.5km)、寿命は1.5カルパ(約64億8000万年)である。
この〈梵天〉を、〈初禅天・しょぜんてん〉という。


〈梵天〉から倍の上空には〈光音天・こうおんてん〉がある。
この天は、“一世界が千個集まった大きさ”がある。(一小千世界・いちしょうせんせかい)
〈光音天〉の神々は言葉の代わりに口から光を発する。
食べものの代わりに喜びを食する。
人間は、そもそも肉体を持つ以前にはこの天に住んでいた。

この天は三層に分かれる。
〈少光天・しょうこうてん〉
〈無量光天・むりょうこうてん〉
そして〈極光浄天・ごっこうじょうてん(光音天)〉である。

この天は、念(おも)いによって楽しみが生じ、「善きかな」と歌うかのごとくである。

〈少光天〉の神々の身長は2ヨージャナ(約14km)、寿命は2カルパ(約86億4000万年)。
〈無量光天〉の神々の身長は4ヨージャナ(約28km)、寿命は4カルパ(約172億8000万年)。
〈極光浄天〉の神々の身長は8ヨージャナ(約56km)、寿命は8カルパ(約345億6000万年)である。
この〈光音天〉を、〈二禅天・にぜんてん〉という。


〈光音天〉から倍の上空には〈遍浄天・へんじょうてん〉がある。
この天は、“一小千世界が千個集まった大きさ”がある。(一中千世界・いちちゅうせんせかい)
これまでの天での楽しみを止(とど)めることによって、“浄らかな喜びが遍く満ち渡る”ので〈遍浄天〉という。

この天も三層に分かれる。
〈少浄天・しょうじょうてん〉
〈無量浄天・むりょうじょうてん〉
そして〈遍浄天〉。

〈少浄天〉の神々の身長は16ヨージャナ(約112km)、寿命は16カルパ(約691億2000万年)。
〈無量浄天〉の神々の身長は32ヨージャナ(約224km)、寿命は32カルパ(約1382億4000万年)。
〈遍浄天〉の神々の身長は64ヨージャナ(約448km)、寿命は64カルパ(約2764億8000万年)である。
この〈遍浄天〉を、〈三禅天・さんぜんてん〉という。
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