仏国土の建立

文字数 737文字

仏陀はアーナンダに続けて語られた。

「ダルマーカラ(法蔵)比丘がこの“歌”をうたい終えた時、
すべての大地が
うなり、吼え、轟き、震え、跳ね上がり、浮き沈みして(六種震動)
揺さぶられました。
神々も空から華の雨を降らせます。

〈おのずから鳴り響く音〉が声となり、歌となって(法蔵)菩薩の決意を讃えて語りかけます。

『汝は必ずや、〈この上なく正しき覚り〉を得られようぞ』と。


このようにして
修行者・法蔵(真理を宿す者)菩薩は、これら〈大いなる誓願の数々〉を打ち立てて
それらを修行により満たしていったのです。

これらは
どれ一つとっても“真実からの願い”であって
“虚しい我欲のためのもの”は一つもありません。

どれもが世間に今までなかったものであり
飛び抜けて優れた願い、誓いばかりです。

どれもが深く〈静まりきった覚りの境地(寂滅)〉を心から願ってのものなのです。


アーナンダよ。
修行者ダルマーカラ(法蔵)は
このようにして
世自在王仏の御前
欲界の主・天魔と色界の主・梵天
仏法守護の龍神や八部衆たち
大勢の人々のなかで
これら〈広い誓い〉をおこしたのです。


そしてこの願いを立てて以来
ひたすらに志しを至して〈妙なる国土〉を厳かに飾ることに専念されました。

修めようとする仏国土は
途方もなく広大で、並ぶものもなく、唯一無二に勝れていました。

こうして
〈建立された仏国土〉は、
永遠の存在となり
衰えることも
変化してしまうこともないのです。



これというのも
〈思いも至せないほどの長い長い時〉をかけて
〈菩薩として修めるべき量り知れない功徳〉を植えて、
積み上げてきたからなのです。

それらの功徳とは、このようなものです。
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