ジャンブー島その7 〈四洲の人々〉

文字数 794文字

ウッタラクル島の人々は、
その身長7肘(1肘=43cm~53cm。約50cmとすると、7肘は約3.5m)。
寿命は1000歳。
国土はなだらかで、人柄は柔和であり、苦しみなく、楽しみに満ちた生き方をする。
人々は
1 誰とでも分け隔てなく接し
2 物静かで
3 清らかな心を持ち
4 とげとげしさを持たない
という四つの徳を備えている。
四洲のうちで、もっとも勝れた人々なので
「ウッタラクル(この上なく勝れた、“勝高”)」
という。

ゴーダーニーヤ島の人々は、
身長3肘半(約1.7m)。
寿命は500歳。
国土は川が多く、牛が多く、羊も多く、また珠玉も多い。
人々は時に殺生をし、牛を食べることもある。
牛を貨幣がわりに用いることもあるので
「ゴーダーニーヤ(牛を貨幣とする)」
という。

プッバヴィデーハ島の人々は、
同じく身長3肘半(約1.7m)だが、7肘(約3.5m)の長さの衣をまとう。
寿命は250歳。
国土は豊かで、山は金で出来ている。
人々は善良で、生き物を殺すことはない。
財宝が満ちているので、人々は奪い合うということはない。
その身が勝れているので
「プッバヴィデーハ(勝れた身)」
という。

ジャンブー島の人々は、
同じく身長3肘半(約1.7m)だが、4肘(2m近く)の者もいる。
寿命は定まらず、人それぞれである。悪く濁った世になると、わずか10歳の寿命にもなる。
苦しみ多く、楽しみ少ない土地であるが、
他の三つの島にはない、大きな特徴がある。
それは、
1 意欲的に、さまざまな行いをおこなえること。
2 意欲的に、清らかな修行をおこなえること。
そして、
3 喜び勇んで仏がこの土地にこそ出現する、ということ。
この三つの特徴を備えることで、
他の大地よりも遥かに恵まれた大地なのである。

このジャンブー島の地中深くに、数々の地獄が広がっている。
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