華厳経を終えて  ~監修者より

文字数 1,095文字

いかがでしたか?
日本人ならだれもがしっている、
「奈良の大仏さん」も、
この華厳経を説いておられるお姿なんですね~!
(奈良の大仏さまは、お釈迦さまではなく、「盧遮那仏(るしゃなぶつ)」といわれています。)
大仏さまのいらっしゃる東大寺さんは、『華厳経』を研究するために建てられたお寺で、
「華厳宗」という宗派になります。
(宗派といっても、奈良仏教の「宗派」とは、特定の経典や論書を研究・考究するためのもので、いわば今の大学の「学部」みたいなものです。これは中国の仏教の「宗派」と同じスタイルなんです。
それとはうってかわって、弘法大師以降の日本の宗派は、あるカリスマ的な指導者のいうことだけを信奉する集団にわかれていく「宗派」でして、カリスマを“始まりの祖(おや)さま・お師匠さま”とする、「祖師仏教」と言われています。)

ちなみに、聖武天皇はこの東大寺を総本山として、日本中を仏教によって霊的に治めるために、各国に国分寺を建てましたが(ヘンなたとえだけど、今でいう「県庁」みたいなもの!?)、この国分寺は『華厳経』じゃなくって、『金光明経』に基づいて建てられているんだって。
なんか、ちょっと変!?
(もちろん、鎮護国家経典である『金光明経』に書かれてある、四天王さまたちに日本中をお守りいただくため、なんですけど。)

まあ、豆知識はこれくらいにしておいて、『華厳経』の内容はいかがでした?
昨日、お寺の人でこのブログを読んでくれている人に聞いたら、
「おもしろいけど、ムリ!」
と言われました。
うーん、たしかに、こんな修行、凡人にはあきらかにムリ…

ちなみに今回で一応『華厳経』はおわりですが、
実はとってもとっても長ーい経典です。
調べてみると、今回訳出分で、全体の42分の1でした…。

有名な「入法界品」は今回さわってませんしね。これだけで『華厳経』の約3分の1ありますから。
(簡単に解説すると、善財童子(ぜんざいどうじ)という主人公が、悟りを求めて53人を訪ね歩く、というお話で、この「53」から、『東海道五十三次』の数字も来ていたりします。)

さて、次回から、『般若経』を公開します!
よく、「『般若心経』は膨大な『大般若経』のエッセンス」と言われる、膨大なほう、です。
(こんなこと言う人って、『般若経』をちゃんと読んだの?って思いません?お坊様だって、『大般若経』を「転読」と称して、読まずにパラパラとやってますし…)
もちろん、ごく一部、なのですが、
ずいぶん『般若心経』とは違うおもむきのことが書かれていて、おもしろいですよ~!

おたのしみに~!!
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