極楽浄土の瞑想 第五〈八功徳水想観〉

文字数 631文字

 つぎには、〈極楽の水〉を観想します。


 極楽には八つの池があります。
 それぞれの池は七宝から出来ていて、
 その宝は柔らかいのです。

 池の水は〈偉大なる如意珠の王〉から生まれ、
 十四の支流に分かれてゆきます。
 どの支流も七宝の色をなしており、
 その水の流れる溝は黄金なのです。
 溝の底には、
 さまざまな色のダイヤモンド(金剛)が真砂(まさご)として敷き詰められています。

 それぞれの水の流れの中に、
 六十億もの〈七宝の蓮華〉が咲いています。
 一つ一つの蓮華はどれもふっくらと円かで、
 等しく十二ヨージャナ(1ヨージャナを約7kmとした場合、約84km。おおよそ能登半島の全長)の大きさです。

 この〈宝珠の水〉は花々のあいだを流れてゆき、
 〈宝の樹〉を探し当てると、
 その幹の中を音を立てて上下するのです。
 その音は〈繊細で妙なる音色〉で、
 〈苦・空・無常・無我〉の真理や、
 〈様々な完成された修行法〉の真理を歌うように説き、
 〈御仏方の相好の素晴らしさ〉を讃美しているのです。

 〈如意珠の王〉からは、金色の精妙な光が湧き出ています。
 その光は〈百宝の色を持った鳥たち〉に変化してゆきます。
 鳥たちの声は美しく調和して、
 哀れみ深く雅やかに響き、
 つねに〈仏を念うこと、法を念うこと、僧を念うこと〉の素晴らしさを讃えているのです。


 このような様子を瞑想するのが、第五の観想たる〈八功徳水の想〉です。
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