ジャンブー島その1〈スメール山(須弥山)〉

文字数 654文字

ある時、仏陀は修行者たちに告げられた。

 この世について。
 地獄や神々の世界について。
 世界を覆う災いと人類の誕生について。

このような事柄を、語り出されたのだった。


「比丘たちよ。聞くがよい。

この大地は深さ168000ヨージャナ(約117万6千km)。
そのはては限りもない。
地は水にとどめられる。

水は深さ3030ヨージャナ(約21210km)。
そのはては限りもない。
水は風にとどめられる。

風の深さは6040ヨージャナ(約42280km)。
そのはては限りもない。

大海は深さ84000ヨージャナ(約58万8千km)。
そのはては限りもない。


“山の王”たるスメール山は、
海水の中に84000ヨージャナ(約58万8千km)の深みまで沈み、
海水の上に84000ヨージャナ(約58万8千km)の高みまで聳える。

山にはいろいろな樹木が林をなし、
樹木のよい香りが林に満ち満ちている。

そこには多くの賢者や聖者、
大いなる魂や妙なる神々が住んでいる。

そして山の根底は、純金の真砂が基をなしている。


山には四方に丘がある。
高さ700ヨージャナ(約4900km)、七宝が組み合わさって出来ている。
丘はやがてなだらかになって、海へと続いている。

スメール山には七宝で出来た階段の道がある。
その幅、60ヨージャナ(約420㎞)。
道の両側には七宝で出来た塀が七重にある。
さらに七重の玉垣があり、
七重の細やかな網が覆い、
七重の並木がその道を厳かに飾るのだ。
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