地獄 その1 〈八大地獄〉と〈十六小地獄〉

文字数 724文字

仏陀は比丘たちに語りかける。

「これら4つの主な島を、8000の島々が取り囲んでいる。大海原を8000の島々が取り囲んでいるのだ。
そしてさらに、これら〈スメール山などの山々を取り囲む大海原〉をも取り囲んで、〈大金剛山〉が連なって聳えている。

〈大金剛山〉のさらに外側には、〈第二金剛山〉がそびえている。
この二つの山の間の谷は、あまりにも奥深く、漆黒の闇であるので、
“日神・月神の威神力の輝き”でもってしても、その底を照らすことは出来ない。
そして、その底にこそ〈八大地獄〉が広がっているのだ。

第一の地獄は名付けて「想いの地獄(等活地獄)」。
第二の地獄は名付けて「黒い縄」。
第三の地獄は名付けて「堆圧(衆合地獄)」。
第四の地獄は「叫喚」。
第五は「大叫喚」。
第六は「焼き炙(あぶ)る(焦熱地獄)」。
第七は「大焼炙(大焦熱地獄)」。
そして第八の地獄は、
名付けて「無間」である。

これら、一々の〈大地獄〉には、それぞれ十六の〈小地獄〉が付随している。
第一の小地獄は名付けて「黒沙(黒い砂)」。
第二は名付けて「沸屎(ふっし・煮えた糞)」。
第三は「五百の釘」。
第四は「飢え」。
第五は「渇き」。
第六は「一銅釜」。
第七は「多銅釜」。
第八は「石磨」。
第九は「膿と血」。
第十は「量火(たくさんの火)」。
第十一は「灰の河」。
第十二は「鉄丸(鉄の球)」。
第十三は「鉄斧」。
第十四は「豺(やまいぬ)と狼」。
第十五は「剣の樹」。
第十六は「寒氷」。

これら数々の〈地獄〉は、
“亡者自身の罪の償いのためにある、地面の下の監獄”である。
そこで
長い間の苦しみを受け終わって、
ようやくその〈地獄〉を出られるのだ。
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