極楽浄土の瞑想 第二〈水想観〉

文字数 736文字

 つぎは〈水観〉です。


 水が清らかに澄んでいるさまを見て、その姿を心に明瞭に保ち、その想いが分散しないようにして下さい。

 〈水を見ること〉が出来るようになりましたら、その水が氷って、透き通った姿を見る〈氷の瞑想〉を行い、
 さらに進んで、その氷をすべて瑠璃とみなす〈瑠璃想〉を行ないます。

 この観想が成就出来ましたら、瑠璃地の内も外も透き通っているのが見えて来るでしょう。

 それから、瑠璃の大地の奥底に想いを凝らすと、
 ダイヤモンド(金剛)やあらゆる宝(七宝)よりなる〈黄金の幢〉があって、瑠璃地を支えているのが見えて来ます。
 幢は八面あり、八角形に並んでいます。それぞれの面は百宝で出来ているのです。
 そして、その一つ一つの宝珠には千の光明があります。
 その一つ一つの光明に、八万四千の色が溢れています。
 そしてそれらが下から瑠璃地に映って、億千の太陽の如く輝き、
 つぶさには見ることが出来ないほどなのです。

 また、瑠璃地の上には、無数に黄金の縄が張り巡らされて、しかも整然と綾をなしています。
 そのそれぞれの縄が交わる境は、七宝によってはっきりと区切られているのです。

 そのそれぞれ一つ一つの宝のなかに、五百の光が満ちています。
 それらの光は花のようであり、
 あるいは星や月の輝きに似ていて、
 虚空へと広がり溢れ出して、光明の台となっているのです。

 これらの光の花や星々の上に、百宝からなる千万の楼閣が現れます。

 また台の両端には、それぞれ百億の花の幢と無数の楽器とで飾られています。
 光明から八種の清風が吹き出して楽器を打つと、苦・空・無常・無我の音を奏でるのです。


 これが二番目の瞑想たる〈水想〉です。
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