仏陀となり天へ昇る

文字数 660文字

釈迦牟尼仏は、初めて覚りを得てから菩提樹の下にとどまり、覚りの境地を味わい続けた。
不可思議な仏界において、大地は金剛となり、宝の花が雨と降り、菩提樹下の仏には美しい傘や旗がかかげられ、それらは光り輝くのだった。
あらゆる世界から大菩薩をはじめ無数の神々が訪れ、〈仏陀の威神力(不可思議な力)〉に触れて歓び、仏を讃え合った。
仏陀はまだ一言も発しないが、その威神力に触れた大菩薩らが、覚りの境地の素晴らしさを知り、大勢の仲間たちに説法を繰り広げるのだった。

仏陀は菩提樹の下に居ながらにして、神々の世界へと上昇を始めた。始めに須弥山のいただきにあるトウ利天を治める帝釈天の宮殿へとおもむいた。
そこでは「法慧(真理の智慧)」という名の大菩薩が、〈仏陀の威神力〉に触れて、について説法をおこなった。

次いで仏陀はトウ利天に居ながらにして、夜摩天へと昇り、夜摩天王の宮殿へとおもむいた。
そこでは「功徳林(木々が茂るように、功徳を持っている者)」という名の大菩薩が〈仏陀の威神力〉に触れて、について説法をおこなった。

その次に仏陀は、やはり居ながらにして、兜率天へと行くのだった。兜率天王は自らの〈一切宝荘厳殿〉を、百万億の宝の網や、百万億の宝の花飾り、百万億の宝の傘など、測り知れないほどの宝物の数々で飾り、すべての生き物がそろっても、それらを見つくすことができないほどだった。
そこでは「金剛幢(壊すことのできない宝石でできたはた)」という名の大菩薩が〈仏陀の威神力〉に触れて、について説法をおこなったのだった。
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