阿弥陀仏の四十八願 その1

文字数 1,704文字

〈極楽には煩悩にとらわれた生き物はなく、姿も差別なく美しいという誓願〉

第1願  もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国の中に〈地獄〉〈餓鬼〉〈畜生〉があったならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。

第2願  もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々が、寿命が終わって後、再び「地獄、餓鬼、畜生」の〈三悪道さんあくどう〉へと戻ってしまうようなことがあるならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。

第3願  もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々の身体がすべて〈真の金色〉に輝かないのならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。

第4願  私が〈仏の位〉を得られる時には
     私の国では「人々」も「神々」も、元の由来により呼び名に区別があるだけで、同じような姿形で皆が美しくあるべきです。
     もしそうでないならば、私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。


〈極楽の生き物たちの持つ六神通についての誓願〉

第5願  もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々が“自身の過去の宿命”を
     〈百千億那由他(10の73乗)劫(1劫は43億2000万年)〉ほど遡っただけでも知り得ないようならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。
     〈一、宿命通しゅくみょうつう〉

第6願  もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々が“自分の周囲の百千億那由他(10の73乗)までの諸仏の国土のみを見わたす〈天眼〉”さえ持ち得ないのならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。
     〈二、天眼通てんげんつう〉

第7願   もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々が“自分の周囲の百千億那由他までの諸仏の説かれる教えを聞いて受け入れ、保つことの出来る〈天耳〉”さえも持ち得ないのならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。
     〈三、天耳通てんにつう〉

第8願  もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々が
     “〈他の生き物の心に触れる智慧〉を持ち合わせず、百千億那由他までの諸仏の国土に住まう生き物たちの心中の念(おも)いさえも知り得ない”のならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。
     〈四、他心通たしんつう〉

第9願  もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々が“心に一つ念じる間に百千億那由他までの諸仏の国土へ飛び越えて行ける〈神足〉”さえも得ることが出来ないのならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。
     〈五、神足通じんそくつう〉

第10願 もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々が“自分の身だけを可愛がり、守ろうとするような想いにとらわれること”だけでもあるのならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて仏となることはありません。
     〈六、漏尽通ろじんつう〉

第11願 もしも私が〈仏の位〉を得られる時に至って
     私の国に住まう人々や神々が“煩悩をすっかり滅ぼし尽くして覚りへと至ることの出来る心の安定した位(正定聚しょうじょうじゅ)”でないのならば
     私は誓って〈この上なく正しい覚り〉を完成させて〈仏〉となることはありません。
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