あとがき4 本書を執筆するにあたって

文字数 468文字

この本を書くにあたり、論文、ノンフィクション、そしてフィクションにするか、悩んだ。
映画「ホテル・ルワンダ」のように虐殺、ジュノサイドを直接扱った映画や小説はかなり世に出ている。
 だが、本書で取り上げたフツ人強硬派が支配するルワンダ難民キャンプが「死のキャンプ」と化していく中、彼らを通してでしか支援が出来ないギリギリの状況で、「人道か、正義か」というジレンマを抱え葛藤する援助団体、援助関係者の苦悩する姿を扱ったものはなかった。

 難しいテーマであり、理解されづらい内容でもあると思うので、どれが当時の援助関係者の苦るしみを伝えられるか考えた末、歴史フィクションという形を採った。
 このため、小説化にあたりドラマチックにするために事象を誇張したり、プライバシー保護のため設定や名称を変えたりしている。

      ***

 今も多くのNGOのスタッフが世界各地での紛争や災害で援助活動をしている。
 そうした人たちの献身的な努力に思いを馳せ、無事を祈りつつ。

 2023年4月7日、ジュノサイドが始まり29年となり、そして30年目となった日に。

 

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