『天冥の標 VI』 宿怨 PART3
文字数 749文字
『天冥の標 VI』 宿怨 PART3/小川一水
6巻目の3冊目。
折り返し点を過ぎた天冥の標。さまざまなベクトルで四方八方、いや全天に突き進んでいた物語のエピソードたちが向きを変え、一転して終局を目指しはじめます。
なんていうかいろんな出来事が錯綜して、ゆっくり整理しながら読み直さないとちゃんと把握できないレベルなんですが、どれもこれも、全体など意識しないでその場その場のシーンに翻弄されながら読むのも正しい天冥スタイルな気もする今日このごろw
どのシーンでもキャラクターたちはその瞬間瞬間に最善(と彼らが思える)手を全力で遂行しているんですよね。
それが、将来的に世界にどう影響してくるかなんて個人レベルでは見えないのは当然のことなので。
まあ宇宙レベルの視野を持つある存在ももちろん絡んでくるんですが、今回はちょっと出番なし? (のようなあるようなw)
実は、このあいだ読んだ今のところ最新巻の10-2の中で、アイネイア・セアキをうんぬんって会話があって、「懐かしい名前だ! あれ? でもそんなことあったっけ?」なんて、すっかりその大事な出来事を忘却してしまっていたのです。
今回再読してみて、その件もしっかり確認できました。なるほどねー。こうつながっているのねー。
そして、その先の辛い出来事たちもおぼろげに思い出してしまって戦慄しています。あー、次巻の天冥VIIは時間軸的にそのままこの続きなんですよね。辛い、辛いわ〜。(と言ってVIIを手に取る)
(おまけのひとこと)
たしかにこれだけ語らねばならないことがあると、三冊分になってしまったのも頷けるところ。
そして、実はこれだけの大長編で(たぶん)唯一「天冥の標」と題された章がこの巻にあるのも注目ポイントです。
Original Post:2019/02/13