『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』

文字数 1,326文字

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』

 / 原作:草水敏 / 漫画:恵三朗

またまた知らなくて読んでなかったけれど読んでみたら最高に素晴らしかった漫画シリーズ。

ほんと素晴らしい。良いです。なにやらドラマにもなっていたらしいのでご存じの方は多そうですけど、テレビ無しっ子の私はぜんぜん知りませんでした(無知)

無料キャンペーンしていた一巻を読んでみてハマってしまい、さらにちょうどアマゾンさんが電子書籍ポイント増し増し祭りをしていたもので、ついキャンペーンに踊らされてまとめてポチってしまいました。

いまのところ15巻まで出ているので、まとめて9千円ぐらいした気がしますがまったく後悔なし! よかったですよー!

これだけ長いと途中ダレちゃったりするお話も多いと思いますけど、もちろんそんなことなく、常にぐいぐい読み手をひっぱっていってくれる展開。すばらしいのですわー。


さて内容。

お医者のマンガ、いわゆる医療系ですね。舞台はとある総合病院(務めてらっしゃるお医者さんがたいわく野戦病院)の中です。

外科とか内科とか、いろんな専門のお医者様がいるわけですが、このお話の主役は、患者さんには直接会わず、患者から取り出した標本(細胞とか)を元に、病気の原因を探る、お医者の世界の探偵のようなお仕事、「病理医」です。

病理医なんて耳慣れない言葉なのですが、実際とてもレアな存在らしく、(そもそも患者に会いませんし)知る人ぞ知る、という感じのお医者様だそう。

へええ、こんなお医者様いるのですねえ。私はこれまた知りませんでした。


さて、その病理医のスペシャリスト、超優秀だけれどめちゃくちゃ変人でとっても態度と人相と性格の悪い病理医・岸京一郎が、自身の鑑別を元に、人知れず患者を救っていく。というのがメインのストーリー。


その岸先生のところへ、内科から宮崎先生が訪ねてきます。彼女は当初、病理医の岸先生の腕を見込んで助けを求めていたはずが、いつのまにか巻き込まれ、主体的に病理とかかわることを選んでいきます。


この、当初状況に流され常識に縛られていた彼女が、主体的にモノゴトに取り込んでいく(取り組まざるを得なくなる?)流れがとてもよいのです。

なにしろお医者様のお話ですから、常に生と死のはざまで、文字通り命がけで格闘する患者さんたちと、我が身を削って彼らを救おうとするお医者様たちの姿がめちゃくちゃリアルに描かれます。

最初ちょっと頼りなさそうだった彼女が、変人の岸先生を師と仰ぎ(?)、目的(患者さんを治すこと、ですよ、もちろん)のためには手段をえらばない強引さを身に着けて、着実に成長していく姿についついぐっときて、涙してしまうのです。


いやー、泣けたー。読んでて何度も泣きました。そのぐらいほんとに良いお話でした。


(おまけのひとこと)それにしてもこの岸先生の極悪な顔すごいですよね。どうみても悪役w

単行本の最初に出てくるキャラクター紹介の時の顔なんてめっちゃ悪人顔ですw

そんな岸先生の真意にちゃんと気が付いて(つかないこともあるけれど)信じてついていく宮崎先生がこれまたかわいらしくて魅力的で良い感じです。

続きが早く読みたいですわー☆

Original Post:2019-10-09
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神楽坂らせん

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