『ベヒモス -クラーケンと潜水艦-』

文字数 1,167文字

『ベヒモス -クラーケンと潜水艦-』/

 スコット ウエスターフェルド (著), 小林 美幸 (翻訳)

「バーキング・スパイダース!」(←これは作中でよく口にされる罵り言葉。「なんてこった!」とか「とんでもねえな!」の意味)


先日紹介した『リヴァイアサン』の続編です。読み始めたら止まらなくて一気読みでした!

前回「やたら続きが気になるところで終わります。」と書きましたが、ほんとそのまんまの続きです。よくある、あれから何年。なんていう遠い続きではなく、時間の流れでいえばほんの翌日レベル。あの冒険の即・続きです。


と、いうわけで、導入はばっちり。(前作からの)読者はあっというまに冒険の続きにのみこまれて、ひたすらページをめくる羽目にあっちゃいます。


詳しくはネタバレになっちゃうので書けませんけれど、前作後半でどんどん加速した冒険はそのままスケールアップして、オスマン帝国、トルコはイスタンブールを舞台に、さらに大型化。ヨーロッパの勢力争いも戦線を拡大して世界大戦に飛び火しそうな勢いになってきました。


その、世界大戦の鍵を握るのは、戦いのきっかけとなった主人公というのがまた燃えますねー。時代や世界情勢に翻弄されつつも運命を自分で切り開いていこうとする少年の姿がぐっときます。もちろん、彼が最もたよりにしているのが男装の少女というのもこれまたぐぐっときちゃうw

そんな二人の成長と友情(?)も今回見どころになってますねー♪


そうそう、今回も世界観にばっちりマッチしたイラストがたくさん入っています。表紙もちょっとくどい絵だわねーと思っていたら、著者はあえて古い本をイメージして作っているそうで、挿絵もイラストレーターとお話を作っている最中から二人三脚で組み上げていったのだそうです。

昔の本は小説でも挿絵ばりばりはいっていたでしょ? ということみたい。

想像力を掻き立てるというかイメージを補完してくれるイラストたちはこうやって生まれていたのですねえ。


と、いうわけでもちろん今回も少年少女のスチームパンク大冒険が好きな方や第一次世界大戦好き(?)さんには超お勧め!

まじで止まらなくなりますヨー。


さーて、三巻目もポチっとな♪

(でも一気読み確実だから時間取れるときに読まないとだわ・・・w)


(おまけのひとこと)

♪とんでイスターンブール~♪

と、サビしか知らない古い歌が頭の中でぐるぐるしながら読んでいました。

コンスタンティノープルってのはイスタンブールの別名かとおもっていたら、住んでいる人にとっては「シティをそんな名前で呼ぶな!」ってなる名前なんですね。それも第一次世界大戦のころから。

なんてプチ知識も身につく、良い本です。


(あと、オリエント急行には巨大なアレが付いててうんぬんとかね!(それは違う知識))

Original Post:2018/12/09
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