『統計学が最強の学問である』

文字数 858文字

『統計学が最強の学問である』/西内啓

タイトルからしてほかの学問に喧嘩売ってますねw


たしか、いままではそういう学問の上にたつ学問キング(?)って哲学とか呼ばれていたと思うんですが、いつの間に学問界に下克上が起こったのでしょうか? と、手にとってみたわけです。


著者さん曰く、「どんな分野の議論においても、データをあつめて分析することで最速で最善の答えを出すことができるから」統計学が最強なのだ。ということのようです。

つまりはあれですね、学問というものは結果=答えを出すもので、その答えにたどり着く方法として最速なのが統計学ですよ。ってことですね。


まあ、学問のなんたるかとか、その他の細かいことはおいといて、どうしてそんなに速いのかといえば、要するに数多くのデータに示されている事を正しく読み取りさえすれば、自ずと結果=答えが明らかになるでしょう。と。その多量のデータの読み取り方のテクニックが統計学であって、なんでそうなるのか等の議論は不要。時間のかかる議論や考証をすっ飛ばして結果だけ手に入る、(本書いわく)裏ワザ的な方法なんだそう。

(Google先生の中もこうした裏ワザをバリバリつかってこんなに素早く検索結果を出してるんだそうですよ)


最初のウチはなんだか、書いていることは正しいのでしょうけど、いい方がちょっとねーと思いながら読みました。こう煽り&ビジネス書みたいな文章にしなければいいのに・・・。

中盤以降はそういう傾向はすくなくなり、色々な統計学的方法の説明がでてきて、なるほどふむふむと勉強になりましたです。

ビックデータだー、とか、データマイニングだー、とかいう言葉に踊らされる前に、そのデータをどう扱うか、どう読み取るかのリテラシー作りにはとても良い本だと思います。


たぶん、最初は内容的にあえて煽り口調にしてたんでしょうね。あとがきでやっと著者の人間性に触れた気がしました。おかげで読み物として読了感も良く、そんでもってためになりましたとさ。めでたしめでたし。

Original Post:2015/07/06


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