『文字渦』
文字数 958文字
ようやく読めました~。
いんやあ、すごかった!
一部でうわさになっていた円城塔さんの新作です。
そのうわさに名高い(下の写真参照)ルビ地獄ページももちろんなんですが、これだけじゃないのですよー。
ほかにも疑字に阿字、どうやら勝手に作ったらしい新漢字、複数の字を組み合わせて作られた複合漢字などなど、ほんっと校正・校閲・編集さん泣かせだったことでしょう。喧嘩売ってるんじゃないかしらん? って感じちゃうぐらいものすごい文字たちのお話でした。
もちろん、ただめちゃくちゃな「文字」が出てくるだけの文章ではなく、ちゃんとその「文字」たちが、そんな変な「文字」であることの意味がそれぞれのお話に込められています。
すべて「文字」が主役の話。と言ったらよいでしょうか。その「文字」がその「文字」であることのアイデンティティが語られ、「文字」の進化、歴史、繁殖(!)に滅亡、文字種どうしの戦争。さらには文字がもつ情報としての意味からの離脱・再統合えとせとら。
ほんっとに文字の話ばっかり(を、文字で書いてあるという不思議)が味わえるという稀有な体験でした。
なんていうか「文字」をネタにした壮大な冗談のような本です。
まことしやかに語られる文字の(たぶん嘘)歴史に浸って文字の宇宙を体験する、本好き、文字好き(そして円城塔好き)にはこたえられない怪作でありました。
ただ、万民におすすめはできませんねぇ。めちゃくちゃ読みにくいので、読みきるのがツラくなっちゃうかもしれません。
私もとっても読むのに時間かかりました。が、その分長時間楽しめたのでお値段のわりにお得感あり、かも? ですw
本当は電子書籍版を待とうと思っていたのですが、このルビだらけのページのインパクトに負けて、紙本で購入してしまいました><
いやほんと、すごかったです(読みにくかったけどおもしろかったー!)
このルビページの校正の赤字を入れたゲラの画像が新潮社さんからリークされてましたねー。いやー、脱帽です。絶対やりたくないですw プロの技、ですねw
https://twitter.com/Shincho_Bungei/status/1027542174118772736