『風のダンデライオン』
文字数 788文字
『風のダンデライオン』
~銀河のワールドカップ・ガールズ /川端裕人
前作、『銀河のワールドカップ』の続編(というより前日譚)にあたるお話です。
あの快進撃を成し遂げた桃山プレデターズ結成前の物語。
今度はチームのスピードスター高遠エリカの視点から語られます。
小学生女子だけのサッカーチームで活躍していたエリカ。
残念ながらそのチームは解散してしまい、新しい仲間も見つけられずもどかしい思いが募っているところから物語は始まります。
前作を読まれた方は「なんだ、前の始まりとおなじじゃん」と思われるかも?
でも、前作の始まりより、エリカはまだすこしだけ幼く、まだ(意外にも!)引っ込み思案な面があったり、本当の「自分」を持っていなかったことが読み取れます。
女の子なら誰でも、特にスポーツをする子ならことさらに思う、「このままやっていてもいつか男子にはかなわなくなる」っていう悩み。
何度も壁にぶつかり、悩むエリカ。
急ごしらえのチームとともに悩み、ともに戦って、自分なりの答えにたどりつく。
青春モノ、というか成長モノ、ですね。
様々な出来事の前後での主人公たちの感性、こころの動き。その書き分けがこの著者は本当にうまい!
経験や悩みによって成長する最中の少年少女の輝きもすばらしく描かれています。
こういうの、読んでてやっぱりうるうるしちゃうのですね。
「……うちは何を待っているんだろう。悩んだりするより、先に走りだすのがうちらしいはずなのに!」
私のようにサッカー知らない者でも十分たのしめ、今回もうるうるしっぱなしでした><
サッカー好きはもちろんですが、前作で燃えた人、涙腺緩んじゃった人、みんなにおすすめの 少女 成長小説です
※杉江松恋さんの解説もオススメ! 半分以上前作の紹介だったりしましたけど、これまた良い!! つい思い出してうるうるです><