『花もて語れ』

文字数 711文字

【花もて語れ】/片山ユキヲ


クラムボンはかぷかぷわらったよ。


ご存知、宮沢賢治の短編「やまなし」だけでなんと単行本一冊半を費やすという贅沢な朗読マンガですw


佐倉ハナはものすごい声の小さな口下手さん。小学校のころは友達もできず、一人で空の雲を眺めて空想にふけっていたりする引っ込み思案の少女でした。

そんな彼女に朗読の才能を見出したのが恩師の折口先生で(学校の教師としてはちょっとアレでしたが)彼女に学校の劇でナレーションをこなすまでの実力と自信を与えてくれたのです。

と、ここまでがエピソード0。


本編は、そんな自信や成功体験もすっかり忘れて22歳になった彼女が、やっぱり引っ込み思案状態で東京に出て就職することになるあたりから始まります。

生来の気弱さと小声のために仕事もうまくいきそうになく悩む日々についつい沈み込んでしまう彼女ですが、あるきっかけであらためて朗読の素晴らしさに触れ、才能を開花させていくことになります。


「朗読」がテーマだけに、登場する文学作品が一つ一つ丁寧に読み解かれていくのが良いんですよー。

作中のエピソードや登場人物と一緒に「この話にこんな深い意味があったのっ?」っと驚き、やはり作中のキャラと一緒に感動しながらぐいぐい朗読の世界に引き込まれるんですね。


今までにさらっと読んだことのある短編や文学作品の深い意味に触れられた時、うっわー、そうだったんだ!!って鳥肌がたってウルウルきます。アハ体験感覚ってやつかも?w


「やまなし」だけでなく、様々なお話がでてきますが、それぞれを読んだことがある人も、そうでない人にも読んでほしい朗読青春ストーリー。おすすめです♪

Original Post:2015/07/17

 

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