第4話 福沢の像をぶっ壊せ!(その1)
文字数 1,424文字
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、本話には少し過激な表現が含まれます。決してマネしないで下さい。
三田会――KO義塾の卒業生で作る同窓会であり、日本の経済界で圧倒的なパワーを誇っている。規模は非常に大きく、国内に約800、海外にも70以上の拠点を持つグローバルな同窓会組織である。
KO義塾大学の三田キャンパス前に到着した僕たちビーチ・ボーイズ。
僕たちに課せられたミッションは国家権力に抵抗して三田会が守護する福沢像を無力化すること。
タクシーを降りた僕たち。マスクを着用し、正々堂々と正門から階段を上った。
マスクの上から表情は覗えないが、KO出身のイエロー(総務省の佐藤)は久しぶりに訪問した母校を懐かしんでいるように見える。
赤・青・緑・黄・ピンクの水着マスクの集団がキャンパスを闊歩していく。
「あれ、何?」
「キモーい!」
「YouTubeの配信中?」
僕たちを発見した大学生がざわざわしていた。
いくら大学のキャンパスとはいえ、水着マスクは珍しい。
スマホで写真を撮る大学生も多く見られた。
せっかくなので、僕たち5人は戦隊ポーズをとった。
これも政府広報の一環だ。
大学生が水着マスクの集団を取り囲み、ビーチ・ボーイズの撮影会が始まった。
僕たちの写真を撮るとSNSにアップロードしている。
#水着マスク #変態仮面 #海パン刑事
きっと、こんなハッシュタグが付いて写真が拡散されているに違いない。
普通に考えると恥ずかしいことだ。でも、僕はこう思っていた。
――もっと、僕を撮ってくれ!
マッチョになった肉体を激写されることは快感だった。
僕はマスクの中でニヤニヤしながらポージングを続けた。
「待てーーーーい!」
僕たちが気持ちよく撮影会をしていたら、奥の方から大声が聞こえた。
サングラスを掛けたスーツ姿の男性。とても堅気の人間には見えない。
その周りに大柄な男たちがいる。あの男たちの衣装は……アメフト部だ。
KO義塾大学の治安を守るため、日々活動を続ける三田会。
そうすると……スーツ姿の反社風男性が三田会。アメフト部を引き連れてキャンパス内をパトロールしている。
男性とアメフト部が僕たちの方へ歩いてくると、集まっている大学生の列が割れた。
至近距離にやってきたアメフト部は大きかった。
ボディーメイクをして怖い物がなかった僕。でも、上には上がいた。
前のアメフト部員の腕は、僕の二倍はありそうだ。
「何の用だ?」
スーツ姿の男性とアメフト部員が僕たちを取り囲んだ。返答次第では排除する、そんな威圧的な態度だ。
アメフト部の一番ガタイのいい部員が至近距離で僕たちを睨んでいる。
僕たちの目的は福沢像の破壊。その目的を明かすとややこしいことになる。
「僕たちは特撮サークルのメンバーです。普段は日吉で活動しているんですけど、新しいコスチュームを作ったので、三田キャンパスに集合写真を撮りにきたんです」
正攻法では福沢像に辿り着けないことを理解したブルー(財務省の山田)。それっぽい理由を説明した。
そんなブルー(財務省の山田)の真ん前にスーツ姿の男性が立った。アメフト部員ほど体格はよくないが、数々の修羅場を潜り抜けてきた匂いがする。
スーツ姿の男性はマスクで隠したブルー(財務省の山田)をジロジロと見ている。ブルーの背中から汗が流れているのが見えた。
<その2につづく>
三田会――KO義塾の卒業生で作る同窓会であり、日本の経済界で圧倒的なパワーを誇っている。規模は非常に大きく、国内に約800、海外にも70以上の拠点を持つグローバルな同窓会組織である。
KO義塾大学の三田キャンパス前に到着した僕たちビーチ・ボーイズ。
僕たちに課せられたミッションは国家権力に抵抗して三田会が守護する福沢像を無力化すること。
タクシーを降りた僕たち。マスクを着用し、正々堂々と正門から階段を上った。
マスクの上から表情は覗えないが、KO出身のイエロー(総務省の佐藤)は久しぶりに訪問した母校を懐かしんでいるように見える。
赤・青・緑・黄・ピンクの水着マスクの集団がキャンパスを闊歩していく。
「あれ、何?」
「キモーい!」
「YouTubeの配信中?」
僕たちを発見した大学生がざわざわしていた。
いくら大学のキャンパスとはいえ、水着マスクは珍しい。
スマホで写真を撮る大学生も多く見られた。
せっかくなので、僕たち5人は戦隊ポーズをとった。
これも政府広報の一環だ。
大学生が水着マスクの集団を取り囲み、ビーチ・ボーイズの撮影会が始まった。
僕たちの写真を撮るとSNSにアップロードしている。
#水着マスク #変態仮面 #海パン刑事
きっと、こんなハッシュタグが付いて写真が拡散されているに違いない。
普通に考えると恥ずかしいことだ。でも、僕はこう思っていた。
――もっと、僕を撮ってくれ!
マッチョになった肉体を激写されることは快感だった。
僕はマスクの中でニヤニヤしながらポージングを続けた。
「待てーーーーい!」
僕たちが気持ちよく撮影会をしていたら、奥の方から大声が聞こえた。
サングラスを掛けたスーツ姿の男性。とても堅気の人間には見えない。
その周りに大柄な男たちがいる。あの男たちの衣装は……アメフト部だ。
KO義塾大学の治安を守るため、日々活動を続ける三田会。
そうすると……スーツ姿の反社風男性が三田会。アメフト部を引き連れてキャンパス内をパトロールしている。
男性とアメフト部が僕たちの方へ歩いてくると、集まっている大学生の列が割れた。
至近距離にやってきたアメフト部は大きかった。
ボディーメイクをして怖い物がなかった僕。でも、上には上がいた。
前のアメフト部員の腕は、僕の二倍はありそうだ。
「何の用だ?」
スーツ姿の男性とアメフト部員が僕たちを取り囲んだ。返答次第では排除する、そんな威圧的な態度だ。
アメフト部の一番ガタイのいい部員が至近距離で僕たちを睨んでいる。
僕たちの目的は福沢像の破壊。その目的を明かすとややこしいことになる。
「僕たちは特撮サークルのメンバーです。普段は日吉で活動しているんですけど、新しいコスチュームを作ったので、三田キャンパスに集合写真を撮りにきたんです」
正攻法では福沢像に辿り着けないことを理解したブルー(財務省の山田)。それっぽい理由を説明した。
そんなブルー(財務省の山田)の真ん前にスーツ姿の男性が立った。アメフト部員ほど体格はよくないが、数々の修羅場を潜り抜けてきた匂いがする。
スーツ姿の男性はマスクで隠したブルー(財務省の山田)をジロジロと見ている。ブルーの背中から汗が流れているのが見えた。
<その2につづく>