第5話 プランB(その1)
文字数 1,394文字
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、本話には少し過激な表現が含まれます。決してマネしないで下さい。
KO三田キャンパスでの戦いを終えた僕たちビーチ・ボーイズ。
僕たちは福沢像の破壊ミッションは達成できないまま、二郎でカロリー摂取し、霞が関に戻ってきた。二郎で食べたラーメンが、僕のお腹をポッコリさせていた。
茜の待つ会議室の前に着いた僕たち。
ドアの前でマスクを取ったメンバーはみんな緊張していた。
もちろん、僕も緊張していた。
――茜に怒られるだろうな……
誰が最初に入るかで口論になり、「年長者だから」「茜と同じ部署だから」と多数決で僕に決定した。
僕は深呼吸した後、会議室のドアを開けた。
そこにはスマートフォンを見ながら爆笑する茜がいた。機嫌が良さそうなので、僕はホッと胸をなでおろした。
「隊長、どうされましたか?」
爆笑する茜に尋ねるブルー(財務省の山田)。
茜は僕たちを見ると腹がよじれそうになりながら「諸君はこれで有名人だな」と爆笑している。
僕たちは茜が持っているスマートフォンを見た。
そこには水着マスクの僕たちがサバゲ―同好会に射撃されている姿が映っていた。
「痛っ!」
「やめてっ!」
サバゲー同好会から放たれるBB弾をかいくぐって逃げ回るものの、弾が当たって悶絶するビーチ・ボーイズ。
『もっとやれーー!』
『裸で逃げるとかwww』
『服着ろよwww』
『#水着マスク #変態仮面 #海パン刑事』のハッシュタグが付けてツイートされた動画は、リツイートされて拡散されている。
再生回数は……180万回!?
僕たちの動画はYouTubeでバズっていた。
他の動画も投稿されていた。僕たちが二郎でラーメンを食べている映像だ。
撮影した角度から推測するに、列に並んでいるジロリアンが撮影したものらしい。
「熱っ!」
「こっちに汁飛ばすなよーー!」
麺をすくう際に飛び散ったスープが皮膚にあたり、悶絶するビーチ・ボーイズ。
『だから、服着ろよwww』
『裸でラーメン食べるからこうなるwww』
再生回数は……150万回!?
この動画もバズっていた。
「あー、面白かった」
茜は僕たちを見て爆笑していた。
怒られると思ってビクビクするビーチ・ボーイズ。救いは茜の機嫌が良いことだ。
「まあ、そんなに硬くなるな。今回はしかたない。諸君を狙撃していたサバゲー同好会。あの後ろに誰がいたと思う?」
「後ろですか?」とブルー(財務省の山田)。
僕はサバゲー同好会から逃げることに精一杯だった。正直、あの状況でサバゲー同好会の後ろまで確認する余裕はなかった。
「SAT(特殊急襲部隊)だよ。諸君が福沢の像に触れていたら、実弾で狙撃されていた。命が助かってよかったなー」
政府の襲撃に備えて三田会はSATを配置した。
たかが像にそこまでするか?
それほど厳重に警備された福沢の像を、僕たちは破壊できるのか?
丸腰のビーチ・ボーイズには荷が重いと思うぞ。
「隊長、ご指示を!」
ブルー(財務省の山田)が代表して指示を請うた。
「プランBだ。諸君を死なせるわけにいかないから、プランBに変更する!」
「プランBですか?」
「ああ、諸君にはこれを持って全国を回ってほしい」
茜は壁際に置かれた段ボールを指した。
僕が段ボールを開けると……
<その2につづく>
KO三田キャンパスでの戦いを終えた僕たちビーチ・ボーイズ。
僕たちは福沢像の破壊ミッションは達成できないまま、二郎でカロリー摂取し、霞が関に戻ってきた。二郎で食べたラーメンが、僕のお腹をポッコリさせていた。
茜の待つ会議室の前に着いた僕たち。
ドアの前でマスクを取ったメンバーはみんな緊張していた。
もちろん、僕も緊張していた。
――茜に怒られるだろうな……
誰が最初に入るかで口論になり、「年長者だから」「茜と同じ部署だから」と多数決で僕に決定した。
僕は深呼吸した後、会議室のドアを開けた。
そこにはスマートフォンを見ながら爆笑する茜がいた。機嫌が良さそうなので、僕はホッと胸をなでおろした。
「隊長、どうされましたか?」
爆笑する茜に尋ねるブルー(財務省の山田)。
茜は僕たちを見ると腹がよじれそうになりながら「諸君はこれで有名人だな」と爆笑している。
僕たちは茜が持っているスマートフォンを見た。
そこには水着マスクの僕たちがサバゲ―同好会に射撃されている姿が映っていた。
「痛っ!」
「やめてっ!」
サバゲー同好会から放たれるBB弾をかいくぐって逃げ回るものの、弾が当たって悶絶するビーチ・ボーイズ。
『もっとやれーー!』
『裸で逃げるとかwww』
『服着ろよwww』
『#水着マスク #変態仮面 #海パン刑事』のハッシュタグが付けてツイートされた動画は、リツイートされて拡散されている。
再生回数は……180万回!?
僕たちの動画はYouTubeでバズっていた。
他の動画も投稿されていた。僕たちが二郎でラーメンを食べている映像だ。
撮影した角度から推測するに、列に並んでいるジロリアンが撮影したものらしい。
「熱っ!」
「こっちに汁飛ばすなよーー!」
麺をすくう際に飛び散ったスープが皮膚にあたり、悶絶するビーチ・ボーイズ。
『だから、服着ろよwww』
『裸でラーメン食べるからこうなるwww』
再生回数は……150万回!?
この動画もバズっていた。
「あー、面白かった」
茜は僕たちを見て爆笑していた。
怒られると思ってビクビクするビーチ・ボーイズ。救いは茜の機嫌が良いことだ。
「まあ、そんなに硬くなるな。今回はしかたない。諸君を狙撃していたサバゲー同好会。あの後ろに誰がいたと思う?」
「後ろですか?」とブルー(財務省の山田)。
僕はサバゲー同好会から逃げることに精一杯だった。正直、あの状況でサバゲー同好会の後ろまで確認する余裕はなかった。
「SAT(特殊急襲部隊)だよ。諸君が福沢の像に触れていたら、実弾で狙撃されていた。命が助かってよかったなー」
政府の襲撃に備えて三田会はSATを配置した。
たかが像にそこまでするか?
それほど厳重に警備された福沢の像を、僕たちは破壊できるのか?
丸腰のビーチ・ボーイズには荷が重いと思うぞ。
「隊長、ご指示を!」
ブルー(財務省の山田)が代表して指示を請うた。
「プランBだ。諸君を死なせるわけにいかないから、プランBに変更する!」
「プランBですか?」
「ああ、諸君にはこれを持って全国を回ってほしい」
茜は壁際に置かれた段ボールを指した。
僕が段ボールを開けると……
<その2につづく>