第3話 ビーチ・ボーイズ(その1)

文字数 1,147文字

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体は架空であり、実在のものとは関係ありません。
また、本話には少し過激な表現が含まれます。決してマネしないで下さい。


 僕は前回のチェリー・ボーイズの二の舞を踏むことを懸念している。

「ビーチ・ボーイズって?」

 僕は恐る恐る茜に質問した。
 茜は「そうだな。説明しておくか」と僕たちを着席するように促した。

「君たちはお互いに協力してミッションをコンプリートしてほしいのだが……チーム名を『福沢の怒りを鎮め隊』にすると私たちが何をする集団なのか分かってしまう。だから、今回のミッションにおいて使用するチーム名を用意した。それが『ビーチ・ボーイズ』だ! 私はその隊長。このミッション中は私のことは隊長と呼ぶように」

「「「「イエッサー!」」」」

 元気よく答える4人の男達。

「うぉっほん。私から辞令と共にコスチュームを配る。諸君はそのコスチュームを着て今回のミッションに挑むのだ! まずは……財務省の山田。前に」

 そういうと、茜は山田にブルーの衣装を配った。

 <以下、省略>

 渡された色は以下の通りだ。

 ・山田(財務省):ブルー
 ・佐藤(総務省):イエロー
 ・鈴木(防衛省):グリーン
 ・田中(国交省):レッド
 ・志賀(内閣府):ピンク(僕)

 前回のチェリー・ボーイズと同じカラーリングだ。
 僕はピンクで構わない。いや、ピンクこそ僕のカラーだ。

 僕たちに配られたのは……マスクと水着?

 ビーチ・ボーイズといえば水着。そこに疑いの余地はない。
 ただ、防御力が低すぎる気がする……これで敵と戦えるのか?

 僕は念のために茜に確認した。

「これに着替えるの?」

「もちろんだ。私は後ろを向いておくから、諸君はそのコスチュームに着替えるように!」

「「「「イエッサー!」」」」

 4人の男の声が聞こえると、茜は後ろを向いた。
 ノロノロ着替えると怒られる。
 僕たちは秒でシャツ、ズボン、パンツを脱ぎ、水着に着替えた。

 ・ぽっちゃり体系のブルー(財務省の山田)
 ・筋肉質のイエロー(総務省の佐藤)
 ・ぽっちゃり体系のグリーン(防衛省の鈴木)
 ・やせ型のレッド(国交省の田中)
 ・中肉中背のピンク(僕)


「諸君らは政府のSNSにも登場するのだが……」

 茜は着替えが終わった僕たちをジロジロ見ている。総務省の佐藤を指した。

「イエロー、合格だ!」
「イエッサー!」

 イエローは茜に促されて席に着席した。

「ブルーとグリーン。諸君らはまだまだ外に出せるレベルではない。腹筋100回!」
「「イエッサー!」」

 ぽっちゃり体系のブルーとグリーンは茜が指示したスペースで腹筋を始めた。

 ビーチ・ボーイズにはビーチに相応しい体づくりが必要だ。
 ただ、今回のミッションに必要なのかは分からない。

<その2につづく>
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