第4話 福沢の像をぶっ壊せ!(その3)
文字数 1,123文字
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、本話には少し過激な表現が含まれます。決してマネしないで下さい。
グリーン(防衛省の鈴木)は右足を押さえて痛みを堪えている。表情までは分からないけど、マスクの下では苦悶に満ちた顔があるにちがいない。
続いて、レッド(国交省の田中)の「痛ってーー」という叫び声が聞こえた。
グリーン(防衛省の鈴木)とレッド(国交省の田中)の日焼けしていない白い体は赤く腫れている。
足元には白いBB弾が散らばっていた。
――狙撃されている。どこだ?
誰かが僕たちを狙っている。周囲を警戒する僕。
福沢像の奥の茂みに迷彩服の男が見えた。
あれは……サバゲー(サバイバルゲーム)同好会だ。
サバゲー同好会は間髪空けずに僕たちを射撃する。
“カンッ、カンッ”
グリーン(防衛省の鈴木)とレッド(国交省の田中)が狙い撃ちされた。
何発もBB弾を撃ち込まれ、その度に「痛っ!」と声を上げている。
僕たちはほぼ裸。BB弾の射撃を防ぐ衣服を身に着けていない。
三田会の策略に嵌ったビーチ・ボーイズ。
ビーチ・ボーイズの弱点を突いた、三田会の見事な作戦といえる。
このまま戦っても勝てない。
僕は頭の中でシミュレーションする。
ブルー(財務省の山田)をおとりにして、グリーン(防衛省の鈴木)とレッド(国交省の田中)で福沢像を強襲する作戦。
ダメだ、返り討ちに遭う。
イエロー(総務省の佐藤)とブルー(財務省の山田)が右と左に分かれて福沢像に近づき、その間にグリーン(防衛省の鈴木)とレッド(国交省の田中)で福沢像を強襲する作戦。
ダメだ、返り討ちに遭う。
大学生を人質にして、そいつらを楯にしてBB弾をかわす作戦。
ダメだ、あいつらは人質ごと僕たちを狙撃する。
もはやここまで……撤退するしかない。
「逃げるぞ! 撤退だ!」
僕は正門を全力で走り抜けると、右に曲がってメンバーが来るのを待った。
もう一度突撃してもサバゲー同好会の餌食になるだけだ。出直した方が良い。
僕は霞が関に帰ろうとタクシーに手を上げた。
「二郎(ラーメン二郎)、食べていきません?」
ブルー(財務省の山田)が黄色の看板を指差した。
僕たちは一週間、ボディーメイクをしてきた。
いま二郎に行くと……リバウンドの危険が……
「どうしようかな……」
弱気な僕に「一日くらい大丈夫です。明日から、頑張りましょう!」とイエロー(総務省の佐藤)の声が聞こえた。
普段から食事制限しているイエロー(総務省の佐藤)。
そんな彼も、今日だけは二郎の気分なのだ。
「行くかーーー!」
僕たちは自販機で黒烏龍茶を買ってから二郎の列に並んだ。
グリーン(防衛省の鈴木)は右足を押さえて痛みを堪えている。表情までは分からないけど、マスクの下では苦悶に満ちた顔があるにちがいない。
続いて、レッド(国交省の田中)の「痛ってーー」という叫び声が聞こえた。
グリーン(防衛省の鈴木)とレッド(国交省の田中)の日焼けしていない白い体は赤く腫れている。
足元には白いBB弾が散らばっていた。
――狙撃されている。どこだ?
誰かが僕たちを狙っている。周囲を警戒する僕。
福沢像の奥の茂みに迷彩服の男が見えた。
あれは……サバゲー(サバイバルゲーム)同好会だ。
サバゲー同好会は間髪空けずに僕たちを射撃する。
“カンッ、カンッ”
グリーン(防衛省の鈴木)とレッド(国交省の田中)が狙い撃ちされた。
何発もBB弾を撃ち込まれ、その度に「痛っ!」と声を上げている。
僕たちはほぼ裸。BB弾の射撃を防ぐ衣服を身に着けていない。
三田会の策略に嵌ったビーチ・ボーイズ。
ビーチ・ボーイズの弱点を突いた、三田会の見事な作戦といえる。
このまま戦っても勝てない。
僕は頭の中でシミュレーションする。
ブルー(財務省の山田)をおとりにして、グリーン(防衛省の鈴木)とレッド(国交省の田中)で福沢像を強襲する作戦。
ダメだ、返り討ちに遭う。
イエロー(総務省の佐藤)とブルー(財務省の山田)が右と左に分かれて福沢像に近づき、その間にグリーン(防衛省の鈴木)とレッド(国交省の田中)で福沢像を強襲する作戦。
ダメだ、返り討ちに遭う。
大学生を人質にして、そいつらを楯にしてBB弾をかわす作戦。
ダメだ、あいつらは人質ごと僕たちを狙撃する。
もはやここまで……撤退するしかない。
「逃げるぞ! 撤退だ!」
僕は正門を全力で走り抜けると、右に曲がってメンバーが来るのを待った。
もう一度突撃してもサバゲー同好会の餌食になるだけだ。出直した方が良い。
僕は霞が関に帰ろうとタクシーに手を上げた。
「二郎(ラーメン二郎)、食べていきません?」
ブルー(財務省の山田)が黄色の看板を指差した。
僕たちは一週間、ボディーメイクをしてきた。
いま二郎に行くと……リバウンドの危険が……
「どうしようかな……」
弱気な僕に「一日くらい大丈夫です。明日から、頑張りましょう!」とイエロー(総務省の佐藤)の声が聞こえた。
普段から食事制限しているイエロー(総務省の佐藤)。
そんな彼も、今日だけは二郎の気分なのだ。
「行くかーーー!」
僕たちは自販機で黒烏龍茶を買ってから二郎の列に並んだ。