ラプサンスーチョン(正山小種)~ボストン茶会事件~

文字数 1,364文字

 世界最古のフレーバーティーでありながらも、世界で最初に作られた紅茶とも言われている正山小種(ラプサンスーチョン)
 アールグレイの元となった紅茶ですが、現在では竜眼の香りがするものは探さないと見つかりません
※竜眼:ムクロジ科の高木。ライチのような果実を付ける。中国や台湾、日本では沖縄や鹿児島といった温かい地域に生息。その実はデザートだけでなく、漢方にも使われる
 少なくとも日本じゃ見かけないし、ラプサンスーチョンと聞いて甘い香りをイメージする人はいないでしょう

 このラプサンスーチョンは

西

とされていますが、

と言われることが多いです(本当だよ)
 一応、西洋の水――硬水(ミネラル分の多い水)で淹れると香りが和らぐという説もありますけど……この香りは多少変わったところでどうにかなるレベルではないかと

 これに関しましては初見殺しと言いますか、前知識がないと臭くて飲めたものじゃないです
 完全に香りが味覚を引っ張っています
 松葉の煙を燻して着香しているらしいので、良くてスモーキーな香り、悪くて煙を飲んでいるみたい

 ただ、味は中国のお茶だけあって渋みが少なく飲みやすいんですよね
 私はというと、ミルクティーなら美味しく飲めます
 ストレートは……ちょっとご遠慮願いたい
※実際はストレート向きで推奨する人も多い
 逆にストレートは飲めるけど、ミルクは無理という方もいますので完全に好みによります

 これまでの茶葉は好き嫌いが分かれるといっても、飲めないほどではありません
 ですが、このラプサンスーチョンに関しましては誇張抜きで飲める、飲めないで分かれるかと思われます
 たぶん、罰ゲームで使えるレベル
 でも、病みつきになる人もいる

 もちろん、お店で買う時は非常に個性が強いとかクセがある茶葉だと紹介されます
 購入場所は専門店で
「マリアージュフレール」「フォートナム&メイソン」「ルピシア」「トワイニング」……etc.
 ちなみに、ルピシア以外は高価格帯です
 また、トワイニングも日本では正規販売していない様子?
 通販、個人輸入でのお求めになります
 
 他には「東インド会社」の「ボストンティーパーティーブレンド」がラプサンスーチョンを含んだ商品となっています

※1773年ボストン茶会(ティーパーティー)事件
 「ボストン港をティーポットにする」と叫びながら行われた事件。茶法やら茶税やら、イギリスが課してきた難題に植民地(北アメリカ)側が反発した結果、大量の茶葉が海に投げ捨てられる事態に。
 ちなみに、犯人側はティーパーティーを開いただけと誤魔化し、検挙されなかった。
 とまぁ、中々愉快な雰囲気ですがアメリカ独立戦争のきっかけとも云われる事件。
 その為、様々な暗躍や誤魔化しもあったと囁かれており世界史で深く語られています。
 実際、「くたばれ茶!」という歌も流行し、ボストンでは茶を飲まない誓いが立てられ――以降、アメリカではコーヒー文化に切り替わったとも。  

 ――閑話休題

 さて、このラプサンスーチョンに合わせるお菓子
 個人的にはチーズケーキ(あまり甘くないの)、ドライフルーツやナッツをふんだんに使ったパンがお気に入り
 イギリスでは、同じように煙で燻したスモークサーモンやチーズと合わせて楽しむみたいです
 他にもカカオ分の多いチョコレートとも相性good
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