大きさによる茶葉の等級

文字数 1,355文字

 茶葉の大きさがバラバラだと、抽出される味もバラバラになってしまう
 それでは困るというわけで、茶葉の大きさと形状は揃えられています
※「午後の紅茶」さんはあえて異なる大きさの茶葉を混ぜて淹れる「マイクロ・ブリュー製法」を使用しています
 そして紛らわしいことに、その大きさによって固有の名前を持っていたり
(ただし、国際的に明確な基準はないのでメーカーや産地によって異なる)

 FOP(フラワリーオレンジペコ)OP(オレンジペコ)BOP(ブロークンオレンジペコ)BOPF(ブロークンオレンジペコファニングス)D(ダスト)C.T.C.(シーティーシー)……etc.

 この中では、色々な意味でオレンジペコが有名かな?

 ちなみに、加工する前の茶葉は上から新芽(チップ)最初の葉(FOP)二枚目(OP)P(ペコ)PS(ペコスーション)、S(一番下の大きくて硬い葉)と言います
 一芯二葉という言葉がある通り、上等な紅茶は新芽~OPで作られる
 量産品の紅茶だと、Pまで一緒に摘んで混ぜて使ったり
 PSは量産品のティーバッグやブレンドとして、Sは中国の燻製茶などに(正山小種(ラプサンスーチョン)が有名)

 誤解を招かないように言っておきますと、この等級(グレード)は茶葉の品質とは関係ありません
 あくまで


 使っている部位が違うので、とうぜん値段と味に違いは表れますけどね

 BOP(ブロークンオレンジペコ)は言葉通り、OPを2~3ミリに砕いたものです
BOPFはBOPよりも更に細かい1ミリのもの(上等なブレンドやティーバッグで使われる)
 茶葉は細かいほうが水色や味が濃く抽出されますので、ミルクティーなどのアレンジティーにはFOPやOPよりも向いています
 ストレートでも、しっかりとした強い味が好みの方はBOPがおすすめです

 逆にFOP(フラワリーオレンジペコ)の紅茶は水色が薄く、味も繊細というか別物です
 その所為か、物足りないという方も結構いたりします(茶葉の種類によっては好き嫌いすら分かれる)
 新芽(チップ)を多く含んでいるのが高級とされ、単純に採れる量が少ないという点からお値段が高い
 日本茶だと、一芯二葉摘みの茶葉は上等な玉露や煎茶に使われていますね
 茶葉の大きさが10ミリ以上なので、ポットによく詰まって困ります

 OP(オレンジペコ)は優等生
 普通の紅茶好きにはこれだけで充分
 茶葉の大きさはおおよそ10ミリなので、そこそこ詰まってイラッとします

 通常よりも品質が良い場合はFOP1、BOP1、OP1のように数字が付く
 けど、これにも明確な基準はなく生産者の判断一つ(某ワインのキャッチコピーのように毎年最高級を謳っても問題ない)
 ただ、(悪質な業者がいないと信じて)差別化を図りたいほど出来がいいと好意的に判断して問題ないと思う

 C.T.C.は切る(cut)(or押しつぶす(crush))、裂く(tear)丸める(curl)の略で、茶葉を言葉通り1~3ミリの球状に加工したもの
 しっかりとした味わいでありながら、短時間で淹れることができる
 完全にミルクティー向け

 D(ダスト)だけどゴミではなく、粉状の一番細かい茶葉
 品質はピンからキリとのこと
 基本的にティーバッグに用いられる

 ……とまぁ、茶葉の大きさと名前は文字で羅列するとわかりにくいけど、実物を見ると意外とわかります
 それと必ずしも、上記の等級(グレード)が記載されているわけでもありません
 全ては生産者の判断一つ
 早い話が、A社のBOPとB社のBOPFが同じ大きさという事もあり得るということです

 とりあえず、FOP、OP、BOP、C.T.C.の4つを覚えていると便利かもしれません

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