品質による茶葉の等級

文字数 1,127文字

 これも一見ではわかりにくいアルファベットが並びます
 また、大きさによる等級(グレード)と同じように国際的な基準はありません
 一応、最初の2つまではインド政府紅茶局なる組織が認定しているみたいですが、紅茶の全てがインドで作られているわけでもなく(生産量は世界1位)
 結局は生産者なりディーラーによる主観で決定されます

 GFOP、TGFOP、FTGFOP、STGFOP、SFTGFOP……etc.

 うん、見事にさっぱりわからないですね
 という訳で簡単に説明します

 まず、後半のFOPはフラワリーオレンジペコ
 一芯二葉摘みの茶葉
 中でも新芽や若葉を多く含んだもの

 次にゴールデンチップをあらわすG(読む時はゴールデン)
 一芯二葉の一芯の部分のみを摘み、紅茶化(発酵)させたもの
 このゴールデンチップのみの紅茶もあるようですが、味も香りも水色も淡く、個性はないとのこと(希少かつ縁起物で高値は付いている)
 ただし、これが適量含まれた紅茶は力強くも繊細な味と香りを持って美味しい……と言われますが、劇的に味が変わるわけではございません
 日本で例えると、初物を美味しいと思う感覚に近いでしょうか?

 Tはチップのことだけど発音はティッピー
 GFOPの中でも特にチップが多い時に付けられる

 最初のFは「fine」だけど、比較級――finer、finest――の場合もあるので発音はまちまち
 意味はなんとなくわかるだろうけど、優れたとか上質とか良い感じ
 もちろん、判断は経験に基づく生産者たちの主観による

 そして、Sはシルバーチップなるモノが多く含まれているという意味
 新芽を発酵させず、自然乾燥させたもの
 そうすると白っぽく仕上がる
 これを紅茶液で染めたのがゴールデンチップ
 つまり、実際には銀色でも金色でもない
 個人的にはシルバーは塩昆布、ゴールデンは干からびた向日葵に似ていると思う
 こちらも扱いはゴールデンチップと似たようなモノ
 ちなみにシルバーチップのみの紅茶は飲んだことありますけど、紅茶っぽくありませんでした
 水色は昆布だしのように薄く、味は大人しい玉露という感じ
 Sの発音はシルバーかスペシャル

 というわけで、一番長いのでSFTGFOP(スペシャル・ファイネスト・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジペコ)
 で、これも特に素晴らしいと判断されると最後に数字の1が付きます

 まぁ、長くなればなるほど高品質と考えてもらって問題はないでしょう
 といっても、あくまでその茶園においての今年の出来栄えを示す指標ですけどね
 それと大層な名称の割にお値段はそこそこです

 ちなみにFTGFOPの茶葉(ダージリン)なら、イギリスの有名ブランドでもあるフォートナム&メイソンでお求めいただけるようです
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