シュー・ア・ラ・クレーム

文字数 1,527文字

 日本のケーキ屋において、外すことができないと云われている定番の1つ
 そして現在、専門店が幾つもあることを考慮しますとそれは事実だったと言えるでしょう

 もっとも、今となってはケーキ屋(パティスリー)から独立した商品になった気がしなくもないですが
 なんといいますか、専門店とコンビニが強すぎてわざわざケーキ屋で買おうとは思わない
 というか、シュークリームを買う為だけにケーキ屋には入りにくいというのが本音かも

 これに関してはプリンも同じですね
 本来の人気に加え、どちらも大量生産・保存に向いていますし
 つまり、手軽な低価格でハズレがない――ゆえにファストフードみたくなってしまった
 最近だと、ケーキ屋で買うよりも高値で売られていることもざらですけど……
 今もなお、生き残っているお店は低価格帯のような気がします

 さて、このシュー・ア・ラ・クレームはフランス語です
 が、シュー・クリームはフランス語と英語の合成語
 
 ですので、シュー・ア・ラ・クレームと表記されていたら本格的――皮は固めで、中身はカスタードクリーム(クレーム・パティシエール)と思って間違いないでしょう

 あまり見かけませんが、生クリームのみだとシュー・ア・ラ・シャンティとなります
 ちなみに、生クリームとカスタードを混ぜたクリームをクレーム・ディプロマトと言いますが、シュー・ア・ラ・ディプロマトにはなりません
 普通にシュークリームです

 もちろん、本格的だから美味しいわけじゃないですけどね
 特にシュー皮の固さは好みによりますので、一部の店舗では「やわシュー」「かたシュー」と両方揃えているケースもあります
 クリームもそう
 カスタードだけでは重い
 他にも、混ぜているクリームが嫌ということで皮の中で半々に分かれていたり
 更には、チョコレートやイチゴなど、まったく別のクリームが入っていることもしばしば

 というわけで今回、味に関しては割愛
 中身のクリームによって味が千差万別ですし、シューの味を知らない人はおそらくいないと思うので

 注意点としては、シューはお菓子のみじゃなくて料理にも使われるということ
 レストランだと説明されるので問題ないでしょうが、ブッフェだとわかりづらいですからね
 特にシュー生地にチーズを混ぜて焼いた「グジェール」は中身が入っていないので、知らないと勘違いしがち(ホテルで働いている時に、何度か中身が入っていないとクレームを受けたことがあります)

 他にも、シュー生地を使ったお菓子は沢山あります
 
 サン・トノーレを始めにお馴染みのエクレール〈エクレア)、その小型のカロリーヌ
 また特徴的な形を持つ修道女(ルリジューズ)白鳥(スィーヌ)ねずみ(スーリ)車輪(パリ・ブレスト)
 更には、シュー生地とクリームを混ぜ合わせたポン・ヌフ、ショッソン・ナポリタンといった変わり種
 中身がなく、あられ糖を纏ったシュー皮を食べるシュケット
 そして、小さなシューを積み上げてチョコレートソースをかけたプロフィットロールに、結婚式などで作られるクロカン・ブッシュ……etc.

 最後に紅茶とのマリアージュ(通常のシュークリーム版)
 
 名前の通り、これはクリームを食べるお菓子ですのでやはりストレートが好ましいと思う
 ディンブラやウダプセラワ
 また市販のダージリンブレンドやアフタヌーンなどなど
 クリームが濃いので、上品な紅茶はちょっと勿体ないかもしれません
 
 ミルクティーだとちょっと重い気がしますが、あえて合わせるのも良し
 その場合はCTC加工のアッサムやウバを濃く淹れていただきたい
 
 フレーバーティーはお好みで
 お菓子にバニラの香りしかないので、基本的にはなんでも合うかと
 特にバニラで隠しきれない濃い卵の匂いが気になる人にはおすすめ
 まぁ、それだとコーヒーでもいいんですけどね
 
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み