クグロフ
文字数 1,761文字
正直、食べたことある人ってそんなに多くないですよね
その割に名前だけは結構有名といいますか、知っている人が多い気が……
やはり、あの特徴的な形が印象に残るのでしょうか?
なんたって、数多くあるお菓子の中で
というわけで、今回はKouglof
ドイツ、オーストリア、スイス、フランスはアルザスの伝統菓子パン
発祥の場所も多ければ、名称や発音も数多く持っている多国籍なお菓子です
Gugelhupf 、Kugelhopf 、Napfkuchen
Rodonkuchen 、Aschkuchen 、Bundkuchen ……etc.
ちなみにクグロフはフランス語
だけど、元来フランス語にはKから始まる言葉がないらしいので生まれはゲルマンか東ヨーロッパという説が有力
フォレ・ノワールで少し触れましたが、アルザスはドイツやスイスと隣接していますしね
実際、フランスで流行したのもオーストリアのハプスブルグ家の皇女マリー・アントワネットが嫁いだことがきっかけ
なんでも、彼女はこのお菓子が大好きだったとか
そして、知名度が高い理由もたぶんマリー・アントワネットのおかげ
さて、このクグロフは中心にドーナツのような空洞があって形が独特です
それでいて、高さも厚みも重さもあります
側面には、ひだ〈プリーツ〉に似た溝もあって、まるで帽子や王冠のよう
けど、作成者にそのような意図はなく――
普通に焼いたら中が生焼けになるから中心に穴を開けた、という身もふたもない理由らしい
もっとも、キリストの誕生を知った3人の聖人が旅の途中、リボーヴィレに住む陶器職人の家に泊めて貰ったお礼に、職人が作った珍しい陶器でお菓子を作って振る舞ったのが始まりという伝承もあり(アルザスにて)
なので、クグロフはクリスマスのお菓子だったり
といいつつも、アルザスでは定番のお土産品として一年中販売されており、様々な趣向のクグロフ型も売られているとのこと
とまぁ、ここまでうんちくを語ったわけですが――
肝心の中身は一言で説明すると、レーズンがたっぷり入ったブリオッシュです
いわゆる、卵とバターを使ったリッチなパン(現代ではイーストを使って発酵させていますが、昔はビール酵母を使っていたそうです)
マリー・アントワネットの「パンがなければお菓子 を食べればいいじゃない」のお菓子というのは、実はこのブリオッシュを指していたとか
ただ、当時はブリオッシュの知名度が低い上に「これはパンなのか? いやバターと卵を使っているからお菓子だ!」といういざこざもあった為に誤解されてしまったとのこと
※実際は濡れ衣らしいですが、長くなる余談なので割愛
お味のほうはといいますと、お店によって違うのでなんともいえません
ただ、基本的にはパン寄りです
なのでマドレーヌなどの焼き菓子と比べますと食感はパサパサしていますし、ひと口食べて美味しい! っていう感じではないかと
現に砂糖なんか全材料の5%くらいしか使いませんから、本当に素朴なお味
だからこそ飽きもせず食べられるし、噛み締めることにレーズンの僅かな甘みと酸味が楽しめるんですけどね
身も蓋もないことを言いますと、海外のレーズンパンと認識してもいいくらいです
もちろん、あくまでケーキとしてクグロフを扱っているお店もあります
バターと砂糖の配合を増やしてしっとりさせたり、中にレーズン以外の果物やナッツを加えたり、仕上げにふりかける粉砂糖を糖衣 にしたり、チョコや抹茶味など生地自体に味をつけたり
また、1人でも食べられる小さなサイズで作ったり――
なんといいますか、もはやクグロフ型で作ればなんでもクグロフという名称で売られているのが現状だったり
最後に紅茶とのマリアージュ
昔ながらのクグロフであれば私は文句なしに砂糖を多めに入れた甘いミルクティーを薦めます
茶葉はノンフレーバーでアッサムやルフナ、モーニングやアフタヌーンブレンドといった、しっかりとした味を持ちながらも刺激的な渋みを持たない紅茶
ちなみに、甘いコーヒー牛乳でも可
素朴なパン生地にアクセントとなるレーズン
クグロフを頬張って、それをマグカップに注いだ甘い飲み物で流し込むのが個人的には大好きです
その割に名前だけは結構有名といいますか、知っている人が多い気が……
やはり、あの特徴的な形が印象に残るのでしょうか?
なんたって、数多くあるお菓子の中で
もっとも完成された形
と称賛されたこともあるくらいですからねというわけで、今回は
ドイツ、オーストリア、スイス、フランスはアルザスの伝統
発祥の場所も多ければ、名称や発音も数多く持っている多国籍なお菓子です
ちなみにクグロフはフランス語
だけど、元来フランス語にはKから始まる言葉がないらしいので生まれはゲルマンか東ヨーロッパという説が有力
フォレ・ノワールで少し触れましたが、アルザスはドイツやスイスと隣接していますしね
実際、フランスで流行したのもオーストリアのハプスブルグ家の皇女マリー・アントワネットが嫁いだことがきっかけ
なんでも、彼女はこのお菓子が大好きだったとか
そして、知名度が高い理由もたぶんマリー・アントワネットのおかげ
さて、このクグロフは中心にドーナツのような空洞があって形が独特です
それでいて、高さも厚みも重さもあります
側面には、ひだ〈プリーツ〉に似た溝もあって、まるで帽子や王冠のよう
けど、作成者にそのような意図はなく――
普通に焼いたら中が生焼けになるから中心に穴を開けた、という身もふたもない理由らしい
もっとも、キリストの誕生を知った3人の聖人が旅の途中、リボーヴィレに住む陶器職人の家に泊めて貰ったお礼に、職人が作った珍しい陶器でお菓子を作って振る舞ったのが始まりという伝承もあり(アルザスにて)
なので、クグロフはクリスマスのお菓子だったり
といいつつも、アルザスでは定番のお土産品として一年中販売されており、様々な趣向のクグロフ型も売られているとのこと
とまぁ、ここまでうんちくを語ったわけですが――
肝心の中身は一言で説明すると、レーズンがたっぷり入ったブリオッシュです
いわゆる、卵とバターを使ったリッチなパン(現代ではイーストを使って発酵させていますが、昔はビール酵母を使っていたそうです)
マリー・アントワネットの「パンがなければ
ただ、当時はブリオッシュの知名度が低い上に「これはパンなのか? いやバターと卵を使っているからお菓子だ!」といういざこざもあった為に誤解されてしまったとのこと
※実際は濡れ衣らしいですが、長くなる余談なので割愛
お味のほうはといいますと、お店によって違うのでなんともいえません
ただ、基本的にはパン寄りです
なのでマドレーヌなどの焼き菓子と比べますと食感はパサパサしていますし、ひと口食べて美味しい! っていう感じではないかと
現に砂糖なんか全材料の5%くらいしか使いませんから、本当に素朴なお味
だからこそ飽きもせず食べられるし、噛み締めることにレーズンの僅かな甘みと酸味が楽しめるんですけどね
身も蓋もないことを言いますと、海外のレーズンパンと認識してもいいくらいです
もちろん、あくまでケーキとしてクグロフを扱っているお店もあります
バターと砂糖の配合を増やしてしっとりさせたり、中にレーズン以外の果物やナッツを加えたり、仕上げにふりかける粉砂糖を
また、1人でも食べられる小さなサイズで作ったり――
なんといいますか、もはやクグロフ型で作ればなんでもクグロフという名称で売られているのが現状だったり
最後に紅茶とのマリアージュ
昔ながらのクグロフであれば私は文句なしに砂糖を多めに入れた甘いミルクティーを薦めます
茶葉はノンフレーバーでアッサムやルフナ、モーニングやアフタヌーンブレンドといった、しっかりとした味を持ちながらも刺激的な渋みを持たない紅茶
ちなみに、甘いコーヒー牛乳でも可
素朴なパン生地にアクセントとなるレーズン
クグロフを頬張って、それをマグカップに注いだ甘い飲み物で流し込むのが個人的には大好きです