ババ(オ・ラム)
文字数 1,572文字
知名度は高くないけれど、秋~冬にかけて扱うパティスリーが増えてくるこのお菓子
変わった名前ですが、これは小説に登場するキャラクター「アリ・ババ」から取ったもの
なんでも、名付け親のロレーヌ公・スタニスラスが千夜一夜物語 の愛読者だったとか
ちなみに、この人物は元ポーランド王でもあります(その時の名はスタニスワフで、スタニスラスはフランス語読み)
発祥は18世紀初期で、場所はロレーヌ公国のナンシー(現在はフランスのロレーヌ地方のナンシー)
作成者はシュヴリオという、スタニスラス付きのシェフというのが有力
ある日、シュヴリオはクグロフにラム酒をかけて燃え上がらせる させてから供すことを思いついたとか
そのきっかけは――
・歯が痛かったので、クグロフに甘口白ワインをかけて食べていた
・クグロフがあまりにパサついていたので、グラスのお酒をかけて食べていた
理由は定かではありませんが、スタニラスのこういった行動があったからのようです
まぁ、どう考えても見栄えする光景ではないですよね
だからこそ、シュヴリオはお酒をかけるだけでなくフランベをして出すことを思いついたのでしょう
そして、燃え上がるクグロフを見て美しいと思ったスタニラスは自分が好きなキャラクターの名前を与えたのでしょうか?
そんな風にして生まれたこのアリ・ババはロレーヌ公国の宮廷でもてはやされ、様々な地域に広まっていきました
なかでも、ストレールという製菓職人はパリで店を開いた時にこのお菓子を名物におき、かなりの人気を誇ったとか
その時にアリ・ババはババと短縮され、火をつける過程もなくなり形もカップケーキのように小さくなったようですが……
そこはレストランとケーキ屋の違いとして、仕方のないことだったのでしょう
さて、経緯についてはこれくらいにして肝心の中身について
はっきり言いまして、これは好き嫌いが分かれます
まず食感ですが、これは食パンを牛乳に浸したようなものです
ババは焼きあげた生地(ブリオッシュ系)をシロップに沈むまで吸わせてから、ラム酒をふりかけますので、外から中まで本当にびちゃびちゃです
味は言わずもがな
噛み締めるたびに、甘~いシロップとラム酒がストレートに口の中で広がります
なので、お酒が苦手な人は絶対に食べないようにしましょう(実際にお店の人が忠告してくれる)
同じように、びちゃびちゃ食感が嫌いな人も駄目です(これは忠告してくれない)
では、このババに合わせる紅茶はなにがいいか?
個人的にはストレートをお勧めします
「お酒を入れる」でやったように紅茶と蒸留酒は意外に合いますからね
ラム酒と牛乳の組み合わせもなくはないようですが、どうも私は苦手なのでミルクティーは遠慮したい
フレーバーならアールグレイも悪くない
柑橘とラム酒の相性は抜群ですし、アルコールの匂いを抑制してもくれる
もっとも、私はラム酒の香りも好きなので色々と大人しいセイロンティーを合わせます
ディンブラ、ヌワラエリア、キャンディといった単体はお店を選ばないと見つからないから、いわゆるセイロンブレンドを
ウバやダージリンといった刺激的な渋みだと、ババの甘いシロップでやられた舌には少しキツイと思うから――
もっとも、それをアクセントにするのも通ですが
最後にババはクグロフから派生したお菓子です
なので、これもまた多国籍なお菓子であり、フランス以外でもイタリアはナポリの名物ともなっています
他にも少し形態は違いますがロシア、ポーランド、ウクライナなどの東欧にもババと言う名の伝統的な料理やデザートがあるらしいですよ
また、ババの派生にサヴァランというお菓子もあります
違いは形やシロップの味(フレーバー)、仕上げに生クリームや果物を使ったりと微々たるものですけどね
変わった名前ですが、これは小説に登場するキャラクター「アリ・ババ」から取ったもの
なんでも、名付け親のロレーヌ公・スタニスラスが
ちなみに、この人物は元ポーランド王でもあります(その時の名はスタニスワフで、スタニスラスはフランス語読み)
発祥は18世紀初期で、場所はロレーヌ公国のナンシー(現在はフランスのロレーヌ地方のナンシー)
作成者はシュヴリオという、スタニスラス付きのシェフというのが有力
ある日、シュヴリオはクグロフにラム酒をかけて
そのきっかけは――
・歯が痛かったので、クグロフに甘口白ワインをかけて食べていた
・クグロフがあまりにパサついていたので、グラスのお酒をかけて食べていた
理由は定かではありませんが、スタニラスのこういった行動があったからのようです
まぁ、どう考えても見栄えする光景ではないですよね
だからこそ、シュヴリオはお酒をかけるだけでなくフランベをして出すことを思いついたのでしょう
そして、燃え上がるクグロフを見て美しいと思ったスタニラスは自分が好きなキャラクターの名前を与えたのでしょうか?
そんな風にして生まれたこのアリ・ババはロレーヌ公国の宮廷でもてはやされ、様々な地域に広まっていきました
なかでも、ストレールという製菓職人はパリで店を開いた時にこのお菓子を名物におき、かなりの人気を誇ったとか
その時にアリ・ババはババと短縮され、火をつける過程もなくなり形もカップケーキのように小さくなったようですが……
そこはレストランとケーキ屋の違いとして、仕方のないことだったのでしょう
さて、経緯についてはこれくらいにして肝心の中身について
はっきり言いまして、これは好き嫌いが分かれます
まず食感ですが、これは食パンを牛乳に浸したようなものです
ババは焼きあげた生地(ブリオッシュ系)をシロップに沈むまで吸わせてから、ラム酒をふりかけますので、外から中まで本当にびちゃびちゃです
味は言わずもがな
噛み締めるたびに、甘~いシロップとラム酒がストレートに口の中で広がります
なので、お酒が苦手な人は絶対に食べないようにしましょう(実際にお店の人が忠告してくれる)
同じように、びちゃびちゃ食感が嫌いな人も駄目です(これは忠告してくれない)
では、このババに合わせる紅茶はなにがいいか?
個人的にはストレートをお勧めします
「お酒を入れる」でやったように紅茶と蒸留酒は意外に合いますからね
ラム酒と牛乳の組み合わせもなくはないようですが、どうも私は苦手なのでミルクティーは遠慮したい
フレーバーならアールグレイも悪くない
柑橘とラム酒の相性は抜群ですし、アルコールの匂いを抑制してもくれる
もっとも、私はラム酒の香りも好きなので色々と大人しいセイロンティーを合わせます
ディンブラ、ヌワラエリア、キャンディといった単体はお店を選ばないと見つからないから、いわゆるセイロンブレンドを
ウバやダージリンといった刺激的な渋みだと、ババの甘いシロップでやられた舌には少しキツイと思うから――
もっとも、それをアクセントにするのも通ですが
最後にババはクグロフから派生したお菓子です
なので、これもまた多国籍なお菓子であり、フランス以外でもイタリアはナポリの名物ともなっています
他にも少し形態は違いますがロシア、ポーランド、ウクライナなどの東欧にもババと言う名の伝統的な料理やデザートがあるらしいですよ
また、ババの派生にサヴァランというお菓子もあります
違いは形やシロップの味(フレーバー)、仕上げに生クリームや果物を使ったりと微々たるものですけどね