ファー・ブルトン

文字数 1,292文字

 名前の通り、このエッセイでも何度かやった(ガレット・ブルトンヌ、クイニー・アマン)
 フランスはブルターニュ地方の郷土菓子
 ファーは「牛乳の粥」を意味し、ブルトンはそのまんま
 
 最近、パティスリーやブーランジェリーで結構見かけるになったと思いますけど、どうでしょうか?

 ブーランジェリーでも扱われることだけあって、こちらはシンプルな焼き菓子です
 形もこれといって決まってはおらず、たいていは丸形かそれを等分にカットした形で売られております(タルトみたいに)
 色合いも地味で焼き面は焼き菓子のように茶色く、中はプリンやカスタードクリームのように黄色

 そして、ブルターニュのお菓子だけあって名産の乳製品や塩が扱われており――
 また、小麦があまり取れなかった土地ということで小麦粉の使用量は少ない配合

 それゆえにこのファー・ブルトンは独特の食感に仕上がっています
 なんというか「もちもち、ぶよぶよ」といった感じ
 食感、味ともに近いといえばパン・プティングかフレンチトーストなんだけど……
 こればっかりは食べてみて、としか言えません
 
 味としてもシンプル
 材料は卵、生クリーム、牛乳、砂糖、バター、小麦粉、塩(花の塩(フルール・ド・セル))、(アジャン産)プルーン
 なので、プルーンが嫌いじゃない限り、万人に受けるお味かと
 もっとも、あのなんとも言えないぶよぶよな食感は好き嫌い分かれるでしょうけど

 以下、少しだけ材料の説明

 フルール・ド・セルは簡単に言うと良い塩
 ガリっ、とした歯ごたえがあるほど結晶が大きく、ほんのりと甘みが感じられるのが特徴
 グローサリーショップ、規模によればスーパーでも手に入るので興味がある方はどうぞお試しを(そんなに高くはない)
 アジャン産のプルーンはアメリカ産と比べると、粒が大きく肉厚で柔らかいのが特徴
 ただ、ネット通販や専門店じゃないと買えないし高いのが難点

 この両方が揃ってこそ、ファー・ブルトンと主張する人もいます

 まぁ、もし自宅で作ることがあれば参考に
 検索すれば出てきますが、作り方も非常に簡単
 また、完成品に奇麗さや膨らみがいらないので失敗しづらいです

 逆に言えば、知らなければわざわざお店で買おうとは思えない出来栄え
 個人的には手軽に食べられるので好きですけどね
 まさにフランスの「おやつ」という感覚

 なので、合わせるならあまり上品ではない紅茶がいい
 というか、いっそう牛乳でもいいくらい
 だからミルクティー、もしくはコーヒー牛乳でもいい
 もちろん、カップもマグカップで充分

 茶葉も廉価なブレンドで
 モーニング、アフタヌーン、イングリッシュ……etc.
 単体ならC.T.C.のアッサム、ルフナ、ケニアとか
 
 フレーバーティーは完全にお好みで
 ただお菓子自体にミルクの味が強く、大粒のプルーンもあるので組み合わせ次第では口に合わないかも(特に柑橘系)
 間違いないのはバニラ、キャラメルのフレーバーでしょうか?

 もっとも、完全に私個人の趣味ですけどね
 先述した通り、お菓子自体にミルクの味が強いですから、無糖かそれに近いストレートで流し込みたいって人のが多いかもしれません
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