カヌレ・ド・ボルドー
文字数 1,940文字
16~17世紀の女性修道院で生まれたとされる、フランスはボルドーの伝統菓子
ご存じの方も多いでしょうがボルドーと言えば赤ワイン
この土地では古くからワインが作られており、その際、澱 (不純物、いわゆるアク)を取り除く為に卵白が大量に使われていたそうです
余談ですが、透明なコンソメスープを作るのにも卵白が使われますね
で、大量に余った卵黄をどうしたものか考えた結果、生まれたのが「カヌレ」と言われています
17世紀といえば、ちょうど『お菓子』が動き出した時代でもありますが、この時はババロアやアイスクリームに用いられるパータボンブすら生まれてないんですよね(ついでにマヨネーズソースも)
クレームブリュレやクレームアングレーズは誕生してたかもしれないけど、まだ職人だけの技術 だったのでしょう
そんな中、材料をただ混ぜ合わせるだけで作れるカヌレは画期的だったに違いありません
しかも、このお菓子は200℃を超える高温長時間焼成なので、精密な温度と時間管理もいらないんです(当時の窯は低い温度の管理が難しい)
なので、職人ではない修道院の女性 にも、容易に作ることができたのでしょう
このカヌレですが、作ったのがシスターだからか形が教会の釣鐘に似ています
そこに縦溝が入っているのは、焼成した生地を型から外しやすくするための工夫でしょうか?
ちなみに、cannelés は直訳すると「溝のついた」という意味があるそうです
つまり、溝の入った釣鐘――と、彼女 たちは認識していたということでしょうか?
まぁ、由来や歴史はこのくらいで(色々な説や情報が錯綜していて、答えがだせそうにないので)
材料ですが、基本的には卵、牛乳、小麦粉(コーンスターチ)、砂糖(蜂蜜)、バターです
最近では、ここにダークラムとヴァニラが入ったり(昔もラム酒は入っていたかも)
配合 的には、バターの使用量がの全材料の1割にも満たないという(焼き菓子にしては珍しい)特徴 が見られます
いつの時代もバターは決して安くないですからね
そして、カヌレ最大の特徴として、型に蜜蠟 なるものが塗られます
なんでも、蜂の巣を構成している主成分なんだとか
これにより、ツヤと輝きのある濃褐色に焼き上がるとのこと
ただ、日本だと食用の蜜蠟が手に入りにくいです
また、蜜蠟は扱いが難しい上に少しお高いので現代ではバターを塗るのが主流
もちろん、こだわっているお店は蜜蠟を使っています
それでも、美味しいからとの理由で蜜蠟にバターを混ぜている場合が多いかな
こうして見てみますと、この「カヌレ」はかなり倹約的なお菓子なのですね
時代を考慮すると、高価なのは砂糖ですが蜂蜜で代用できます
そして、昔の修道院では蜂を飼っていました
神聖な儀式に必要な蜜蠟 を得る為に――
そう、蜜蠟だって要は型に塗るバターを節約した結果なのではないか、と私は思っていたり
作ったのが修道女 ですし、そう間違ってはいないかも?
かなり、脱線したのでまとめ
・名前はカヌレ。正式にはカヌレ・ド・ボルドー
・形は縦溝の入った釣鐘型
・サイズは小さい(掌に2~3個乗るくらい)
・外側は黒~褐色、中は黄色~クリーム色
・外側はカリっ、中は
・味はダークラムの香るカスタードクリーム系(実際、材料がほとんど一緒)
・こだわっているお店(蜜蠟を使っている)は正式名称を使っている
注意点として、このカヌレは焼き菓子ですが日持ちがしません(当日消費推奨)
理由は水分量が多い(材料の半分以上が牛乳)からです
その為、お店では個別包装しておらずパン屋さんみたいに売られています(百貨店、デパートでは包装されている傾向が強い)
置いてある場所も焼き菓子のコーナーではなく、ショーケースの上が多いかと
そして、最高の食べ合わせ にはノンフレーバーの紅茶をおすすめします
カヌレにはダークラムの香りが強く残っているので、他の香りだと喧嘩しちゃうんです(ダークラムは個性が強くて、カクテルでも扱いが難しいお酒)
それでも、あえて合わせるならチョコレートかバニラのフレーバー
もしくは、チャイなどのスパイスを使ったモノがいいでしょう
個人的に好きなのはダージリンのストレート
カヌレ自体に牛乳をたくさん使っているので、ミルクティーを合わせるとちょっと重いかなと
それをすっきりさせる名目とダークラムとの兼ね合いを考慮して、私はよくダージリンでいただいております
もちろん、ディンブラやニルギリもいいですよ
この2つは日本人がイメージする紅茶らしい紅茶ですので
正直、あらゆるお菓子と相性が良いと思います
……ここまで書いといてなんですが
カヌレとコーヒーって相性抜群なんですよね
ご存じの方も多いでしょうがボルドーと言えば赤ワイン
この土地では古くからワインが作られており、その際、
余談ですが、透明なコンソメスープを作るのにも卵白が使われますね
で、大量に余った卵黄をどうしたものか考えた結果、生まれたのが「カヌレ」と言われています
17世紀といえば、ちょうど『お菓子』が動き出した時代でもありますが、この時はババロアやアイスクリームに用いられるパータボンブすら生まれてないんですよね(ついでにマヨネーズソースも)
クレームブリュレやクレームアングレーズは誕生してたかもしれないけど、まだ職人だけの
そんな中、材料をただ混ぜ合わせるだけで作れるカヌレは画期的だったに違いありません
しかも、このお菓子は200℃を超える高温長時間焼成なので、精密な温度と時間管理もいらないんです(当時の窯は低い温度の管理が難しい)
なので、職人ではない
このカヌレですが、作ったのがシスターだからか形が教会の釣鐘に似ています
そこに縦溝が入っているのは、焼成した生地を型から外しやすくするための工夫でしょうか?
ちなみに、
つまり、溝の入った釣鐘――と、
まぁ、由来や歴史はこのくらいで(色々な説や情報が錯綜していて、答えがだせそうにないので)
材料ですが、基本的には卵、牛乳、小麦粉(コーンスターチ)、砂糖(蜂蜜)、バターです
最近では、ここにダークラムとヴァニラが入ったり(昔もラム酒は入っていたかも)
いつの時代もバターは決して安くないですからね
そして、カヌレ最大の特徴として、型に
なんでも、蜂の巣を構成している主成分なんだとか
これにより、ツヤと輝きのある濃褐色に焼き上がるとのこと
ただ、日本だと食用の蜜蠟が手に入りにくいです
また、蜜蠟は扱いが難しい上に少しお高いので現代ではバターを塗るのが主流
もちろん、こだわっているお店は蜜蠟を使っています
それでも、美味しいからとの理由で蜜蠟にバターを混ぜている場合が多いかな
こうして見てみますと、この「カヌレ」はかなり倹約的なお菓子なのですね
時代を考慮すると、高価なのは砂糖ですが蜂蜜で代用できます
そして、昔の修道院では蜂を飼っていました
神聖な儀式に必要な
そう、蜜蠟だって要は型に塗るバターを節約した結果なのではないか、と私は思っていたり
作ったのが
かなり、脱線したのでまとめ
・名前はカヌレ。正式にはカヌレ・ド・ボルドー
・形は縦溝の入った釣鐘型
・サイズは小さい(掌に2~3個乗るくらい)
・外側は黒~褐色、中は黄色~クリーム色
・外側はカリっ、中は
もちねちょ
した独特な食感・味はダークラムの香るカスタードクリーム系(実際、材料がほとんど一緒)
・こだわっているお店(蜜蠟を使っている)は正式名称を使っている
注意点として、このカヌレは焼き菓子ですが日持ちがしません(当日消費推奨)
理由は水分量が多い(材料の半分以上が牛乳)からです
その為、お店では個別包装しておらずパン屋さんみたいに売られています(百貨店、デパートでは包装されている傾向が強い)
置いてある場所も焼き菓子のコーナーではなく、ショーケースの上が多いかと
そして、
カヌレにはダークラムの香りが強く残っているので、他の香りだと喧嘩しちゃうんです(ダークラムは個性が強くて、カクテルでも扱いが難しいお酒)
それでも、あえて合わせるならチョコレートかバニラのフレーバー
もしくは、チャイなどのスパイスを使ったモノがいいでしょう
個人的に好きなのはダージリンのストレート
カヌレ自体に牛乳をたくさん使っているので、ミルクティーを合わせるとちょっと重いかなと
それをすっきりさせる名目とダークラムとの兼ね合いを考慮して、私はよくダージリンでいただいております
もちろん、ディンブラやニルギリもいいですよ
この2つは日本人がイメージする紅茶らしい紅茶ですので
正直、あらゆるお菓子と相性が良いと思います
……ここまで書いといてなんですが
カヌレとコーヒーって相性抜群なんですよね