オランダのスペキュラース

文字数 1,090文字

 現代のベネルクス(オランダ、ベルギー、ルクセンブルクのこと)
 古くは低地の国々(ネーデルラント)と呼ばれた地域に起源を持つと云われているspeculaas(スペキュラース)

 近年では一年中食べられるこのお菓子ですが、元はサンタクロースの由来ともされる『ミラのニコラウス』の日に食べられていたそうです(オランダは12月5日、ベルギーは12月6日)

 しかしながら、日本においてはほとんど知名度がありません
 理由として、見た目が地味な上に味が日本人の子供の味覚に合わないからというのがあげられるでしょう

 こちらは簡単に言うとクッキーです
 それも複数のスパイスが含まれる、いわゆるジンジャークッキー的なモノ
 (シナモン、クローブ、カルダモン、ピメント(オールスパイス)、バニラ、シナモン、ナツメグ、生姜……etc.)

 上記のように多量のスパイス
 また、ブラウンシュガーを使うことが多いので焼き上がりは茶色
 
 ただ、形や模様は様々
 クリスマスをテーマにしたモノから歴史や宗教のモチーフ
 それこそ人型、動物型なんでもござれ
 色合いが味のある茶色なので、お菓子というよりも外国の壁画のように見えたりします
 実際、クリスマスツリーに飾られることもあったり

 なんといいますか、文化としては日本にも伝わっているんですよね
 クッキーをクリスマスにちなんだ形にしたり、模様をつけたり
 そして、それを飾ったり食べたり
 
 正確には、オランダの文化がアメリカに伝わって――
 アメリカ流に彩られた後、日本にやって来た(アメリカとオーストラリアではDutch Windmill cookiesというみたいです)
 ですので、『スペキュラース』としては今後も流行らないでしょう
 味は子供受けせず、色も地味な上に一色だけ
 
 どうしたって、チョコレートやアイシングで色鮮やかにお化粧された――
 最早、食べ慣れたアメリカのクッキーには敵いません

 それに、日本ではほとんど売っていないです
 いわゆる、グローサリーショップで見かけるくらい
 それなのに、何故か食べたことがあるという人は周りに結構いました
 なんでも、海外旅行のお土産で貰ったとか(外国っぽい模様のクッキーということで、お土産として選ばれやすいそうです)


 このスペキュラース
 クリスマスのお菓子としては些か地味かもしれませんが、職場や学校などの集まりにおいては、一番気軽に楽しめるかと思います
 
 なんせ、クッキーですので

 あげるほうも貰うほうも気負いなく、軽い気持ちで手に取れます
 そんなささやかなお裾分けとして、今年のクリスマスにスペキュラースはいかがでしょうか?
 ――きっと、喜んでくれるはずです

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