第194話 NNN(トリプルエヌ)
文字数 2,465文字
紗絵ちゃんとお父さんに気を使って、隣の義両親の師範と千春さんが絵奈と紗羅の面倒を横浜で見てくれているので、空いてる方で寝ようかと思ったら、遠慮しないでこっちにおいでよと言われて、家に招かれた。
お父さんは夕飯を一緒に食べると、明日の朝早くから病院での勤務があるらしく、すぐに寝てしまった。
私達も少し世間話をすると、眠りについた。
迎えた成瀬 千春の横浜スタジアムライブNNN(トリプルエヌ)当日。
二人の娘にちょっと申し訳無い気持ちになりながら話をした…
私がゴリラじいちゃんって呼ぶのやめなさいと言うと千鶴さんと紗絵ちゃんは笑っていた…
ライブの時間となった。夕焼けがステージを照らし、始まりの音楽が鳴る。
成瀬 千春の登場に子供達は目を輝かせて手を振っていると、千春ちゃんが最前列にいる絵奈と紗羅に手を振ってくれた。
ライブは前半が終わりに近づく頃、スタッフさんが私と紗絵ちゃんを呼びに来た。
事前に撮っていた過去から現在の成瀬 紗絵、成瀬 紬、成瀬 千春の映像が流れる…
会場の歓声はとてつもなく大きくなった…
子供達にいつかバレる機会がなければ私はずっと元芸能人の成瀬 紬だというつもりはなかった…
でも、もうモニターには過去から現在まで出ている。紗絵ちゃんのことも私のことも紹介され、きっと子供達は気付いただろう…
さぁ子供達に今だけは、山本 紬ではない成瀬 紬のカッコいい姿を見せに行こう…
スポットライトに照らされ、懐かしさを感じる。
曲が鳴り出した…
3人共立ち位置が入れ替わるばそれぞれがセンターになる瞬間はある。
(ブランドを感じさせないくらいに輝いて魅せる!!)
(歌唱者)
途切れさせないように繋いでその光…(千春)
right that is inherited(紬、紗絵)
とめどなく流れ変わる時のように全ては変わっていく(紗絵)
誰もがたどり着きたいその場所へ いらないノイズに惑わされても(紬)
譲れない信念 執念 叶わない無念とともに(千春、紗絵)
受け継いだものが今もここにあるのなら(紬)
どんなに遠くなっても(紬、千春) 困難になっても(紗絵)
諦めない(千春) 止まらない(紬) 揺るがない(紗絵)
この場所に立ち守り続ける(千春)
途切れさせないように繋いでその光(紬、紗絵)
受け継がれる光を手にして繋いでいく(千春、紬、紗絵)
終わりを迎えて 新しい光がさして(紗絵)
変わらないものを繋いで しっかり掴んで(紬)
誰よりも輝いて くもりのない瞳で(千春)
誰よりも先にいく(千春、紬、紗絵)
翼を手にして 輝きを得て 誰よりも強くゆく(紬)
時が経ち 忘れさられても もう一度蘇る 誰かの心の中で(千春)
ほら、今見えているくもりのない輝き(紗絵)
強く(紬) 高く(紗絵) 舞う(千春)
受け継がれる光とともに(千春、紬、紗絵)
歩いて行こう(千春、紬、紗絵)
永遠に繋いでけ(千春、紬、紗絵)
歌っている最中、子供達と何度も目があった。
そして聞こえた気がするんだ。子供達の成瀬 紬頑張れ〜って声が…
NNN(トリプルエヌ)「受け継がれる光」歌唱時
NNN(トリプルエヌ)「受け継がれる光」歌唱時
NNN(トリプルエヌ)「受け継がれる光」歌唱時