第57話 横顔だけじゃ物足りない
文字数 2,064文字
スカート落ちてたやつ急いで履いてきただけだから。寒いし(汗)
紗絵ちゃんに色々試されてたの(汗)
どう?この髪形似合う?かわいい?
紗絵ちゃんにはアイドルみたいって言われたよ(笑)
紗絵ちゃんが出るからと思ってアニメのやつ見てみたんだけど、なんかよくわかんなくてさ(汗)
でも映画が公開されたら見に行きたいなと思ってたよ!!
来年だから、私達その時は中学生になってるね♪
そういえばもうすぐ制服の寸法もはかりにいかなきゃないよね。
そういえばやっぱり修也大きくなったよね!!
私も結構身長伸びたのに、修也の方がでかいもんね。
そうだよ!!もう何日か後だから、紗絵ちゃんに着ていく服決めるために強制的に着替えさせられてた(汗)
でも、私じゃ紗絵ちゃんみたくなれるかはわからないけど(笑)
紗絵姉は凄いと思うよ。でも、俺はそういうの興味ないから、わかんねーかもしれねーけどさ、紗絵姉プライベートないじゃん?
紬もそうなっちまったら、俺達と普通に遊んだり出来なくなんじゃねーのかなと思うと寂しいよな…
この先、もちろんやるからには紗絵姉みたくなりたいって思うだろうし、目指してほしいと思うけど、俺達と一緒に遊んでた頃の紬じゃなくなっていっちゃうみたいで、遠い人になっちまうっていうかさ…
紗絵ちゃんは電車やバスに普通に乗れないしコンビニにすら普通には行けない…
前に紗絵ちゃんと恵美ちゃんと沢田さんのプレゼントを買いに行った時は人だかりを作りデパートに迷惑をかけた…
もちろん二人は事務所からお叱りを受けたらしい…
私が売れたらの話で、そんなことがなければ無名でみんなと遊んでも問題ないとは思う。
でも、選択を迫られる日が来たとしたら?私は友達と過ごせる日常と夢どちらを取るのだろう…
考えたくなかった…考えたことなんてなかった…
何かを得るためには何かを犠牲にしなきゃないのかな?
そうだよね…
寂しいよね…
私、みんなと友達になれて良かったと思ってる。
紗絵ちゃんはキラキラしてて、疲れてるはずだけど、楽しそうで、憧れるよ。
私はそんな紗絵ちゃんが好きなんだ。
だから、紗絵ちゃんを応援したいって思うよ。
私が紗絵ちゃんみたくなれるなんて思わないけど、もしそうなった時は、遠い人だなんて思わないでほしいな…
いつかはみんなそれぞれの道に進まなきゃない時が来るよね?
あんまりちゃんとそういうの考えたことないけど、みんなとは変わらずにいたいな…
紗絵ちゃんが私に内緒にしていることにたいしても私は考えたくなくて目を背けたのと同じだ。
私は今、みんなと過ごしたい。でも歌って踊るのが好き。それも譲れない…
そして、今、隣にいるあなたが好き…
どんなに頑張ってもかわいいって言ってくれないけど…
中学生になったら、他の小学校からも同じ中学校に人が来る。
もし他の人にとられたらどうしようとか思うんだよ…
昔と違って少しは私、容姿に自信あるよ。
でも、あなたは私に興味なさそうだよね…
良い友達とか、お隣さんとか家族みたいから脱出したいのに、私は怖くて言えない…
今の関係が崩れるのが怖くて…
今はまだ、選択を迫られる時が来た日のことには、目を背けて、告白したいことからも目を背けて、
今この瞬間をただ一緒に過ごしていたい…
紬と美咲達の待つカラオケに向かう途中