第41話 修学旅行と三角関係

文字数 2,542文字

学校は今までで1番楽しい日々が続いている。



修学旅行のグループ決めが行われ、修也、中島君、徹くん、美咲ちゃん、私となった。


修学旅行のグループのリーダーは修也となった。

思い返せば私が引っ越してきて以来、修也と中島君とは学校に向かう朝も帰りもほぼ一緒だった。


休みの日には一緒に遊んだり、紗絵ちゃんの撮影に着いていったり、たくさんの時間を共にしてきた。


修也に関しては山本家に私が大変お世話になることも多いため、家族同然な感じだ。


そう思ってたけど、時が経つと共に私は女らしく、修也と中島君は男らしく、違いが出てきた。


性別が違うからなのか、少しギクシャクすることもたまに出てきた…


そして最近の修也は師範の息子なだけあって身長がここ数年でだいぶ伸びた。


顔は師範に似なくて良かったって千鶴さんは言ってた…(笑)


もともと修也はそれなりに女子から人気があった。


身長が伸びて更に女子から人気が出てるに違いない。


6年生の私達のクラスは2組。この6年2組の女子は結構、修也のことが好きな女の子が多いみたいで、


修也と仲の良い私はクラスの女子達から羨ましがられることが多くなった。


私は引っ越してきてから、特に修也を異性として意識したことがない。


修也も同じだと思う。


私は特に異性として見られてないと思う。



男女の友情は成立する?しない?

※山本 修也 11歳 


白金小学校6年生 

そして、紗絵ちゃんはこの春からかつて祖母が隅っこに映っていた人気雑誌の「Beauty」の専属モデルにもなった。


表紙を飾ることはなくても、そこそこメインのページには載っている紗絵ちゃん。


若者からの支持が少しずつ上がっているみたいだ。


学校でも、この年になってくるとオシャレに興味が出て、この雑誌を見たりしている子も多いみたい。


クラスの友達にもお母さん美人でいいねって言われる。


家での紗絵ちゃんを見るとイメージ変わるだろうけど…


私が小さかった頃の紗絵ちゃんは可愛くて、綺麗で、カッコいいっていうのが私の勝手なイメージだったけど


恵美ちゃんと一緒にいる時の姿、RISE-1のメンバーと一緒にいる時の紗絵ちゃんはちょっとそのイメージとは違う。


恵美ちゃんが一緒に住んでくれるようになってからは、すっかり気を張らなくなったのか、可愛くて綺麗なのは変わらないけど、すぐすねる、ちょっと子供っぽい、頑固、肉ばっかりっていうイメージが強い…


時々私より子供なんじゃないかと思うことすらある…


でも、凄く楽しそうで、外では気を張っている紗絵ちゃんがくつろげる空間なら、それでいいと思ってる。

なんだかんだで、4月があっという間に終わり、5月になり修学旅行当日の朝、恵美ちゃんが朝ご飯を作ってくれて、3人で食べていると紗絵ちゃんが急に言い出す。
紬が修学旅行でお泊りでいないなんて寂しいよ〜(泣)


だって今日私と恵美だけだよ。絶対恵美にいじめられる(泣)


私もついて行こうかな(笑)

あんた何歳なの?余計なこと言ってないで、お母さんなら、忘れ物ないかとかチェックしてあげなさいよ。
恵美ちゃんありがとうございます。でも大丈夫ですよ!


私ちゃんと自分で前日に前もって準備してましたから。ちゃんと忘れ物ないかのチェックもしてあります。


紗絵ちゃんはちゃんと今日はレッスンでしょ!レッスンサボったら駄目だからね!

紬、凄い!完璧!なんか段々お姉ちゃんに似てきたんじゃない?


は〜い。そういえばレッスン恵美もいるから、サボれないよ(笑)


紬いなくて寂しいから、夕飯は恵美、一緒に焼肉にして気分上げようか?(笑)

嫌だね(笑)紗絵専属モデルになったんでしょ?

太ったらモデルも出来なくなって、あんた仕事無くなるよ(笑)

恵美ちゃんにそう言われると、さすがに肉と騒がなくなった紗絵ちゃん。
紗絵ちゃんに車で私と修也は送ってもらって学校に着く。


すでに大型バスが何台も用意されており、2組のバスに乗り込むと入口に座席表が貼られており、修也と美咲ちゃんは隣の席だった。


ちょっと離れた所に私と中島君が隣の席だった。

んじゃ、また着いたら班行動でな。
またね〜。
修也は自分の席に行ってしまった。


美咲ちゃんは私達より先についていて、席に座っていた。


修也が席に行くのを見ていると、美咲ちゃんと挨拶を交わし、美咲ちゃんは可愛らしい笑顔を見せていた。


転校してきた頃は美咲ちゃんといざこざがあったけど、その後はどちらかといえば、私と美咲ちゃんは仲は良い方だと思う。


二人の楽しそうな感じを見せられなんかやきもきする私…


美咲ちゃんは可愛い。だから男子からモテる。


(何で気にしてんだ私)そう思って、前を向こうとすると、中島君がいた。

よ!紬何した?あっちなんか気になんのか?
そう言って私が見ていた方を見ようとする中島君。
気にしないで、バス広いなぁって見渡してただけだから(汗)


早く座ろうよ(汗)

上手くごまかして座る私。


バスは出発し、福島を目指す。


2泊3日の修学旅行は初日は全員でいわき市のアクアマリン福島という水族館に行く。2日目は班に分かれて観光スポット巡りとなる。


紗絵ちゃんに教えたら、紗絵ちゃんの頃は修学旅行は違うところだったらしく、羨ましがられた。


私は初めて行く東北地方で、楽しみだ。


高速道路にバスが入り進むと東京では見られない、山の景色が綺麗だ。


私は窓側の席のため景色をずっと楽しんでいると中島君が退屈そうに話しかけてくる。

おーい!外ばっか見てたら退屈だろ(笑)


トランプとか持ってきたから遊ぼうぜ!

あ!ごめんごめん。私福島とか初めてだから、向かう景色も楽しくて。
後ろの席の2人と一緒に4人でトランプをして遊ぶと、どうしても振り返る姿勢になるため、後方の席の美咲ちゃんと修也が視界に入ってくる。


楽しそうに話しながら二人はお菓子を交換したりしていた。


その光景は中島君の目にも入っているみたい。

そういや、美咲と修也って同じクラスになったらいきなり仲良くなったよな。


お互い好き同士だったりしてな(笑)


修也って茅ヶ崎のファンだろ。美咲ちょっと茅ヶ崎に似てるよな?

一緒にトランプをしていた二人も中島君の意見に同意していた。
私はその話を聞いてあんまり気分は良くなかった…
※RISE-1 成瀬 紗絵 22歳


人気ファッション雑誌「Beauty」専属モデル

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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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